小牧嬉歌「間違ってたらアレなんだけど……何回目、なの?」
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◆ty.IaxZULXr/
[saga]
2023/12/05(火) 19:58:30.10 ID:loDylRht0
9 #9
街中 カフェ
ウタ「はっ……」
クマ「小牧さん……?」
ウタ「えっと」
クマ「急にキョロキョロして……誰かいた……?」
背伸びしたオシャレなカフェ。クマちゃんとふたりきり。小牧さんと呼ばれた。
ウタ「さっき、部室に行ったよね」
クマ「え……そうだけど」
私の記憶だとさっきまでは夏休みの登校日前日だったのに、今はクマちゃんとはじめてのお茶をしている。
ムスブちゃんの言葉を覚えてる。
『自分と、自分の大切なものに対しての誠実さ』
私は悲しいできごとをずっと覚えておけるけど、本当はこういうことを覚えていたい。
大切なクマちゃんとの時間だから、時間が巻き戻るのは何故かとか考えるのはやめておいて。
大切なもののために、動いてみる。
ウタ「クマちゃん、もう注文した?」
クマ「ううん……まだ決まってない」
ウタ「クマちゃん。無理してオシャレなカフェにきて緊張してて、いつも周りの目を気にしてる私が言うのも変なんだけど、その、飲みたいものを飲もうよ」
クマ「……」
ウタ「迷ってるの、目立たない普通の注文にするかどうか、だよね」
クマ「……そう。なんで、わかるの」
ウタ「それは、えっと、そう!ネガティブ仲間だから」
クマ「わかった……じゃあ、これにしようかな」
ウタ「うん、いいと思う。私はこっちにする」
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