57:名無しNIPPER[saga]
2024/02/26(月) 01:21:40.20 ID:HVwrveoKO
 「な、なんで私をそんなに助けてくれるんですか!?何が狙いなんですっ!?」 
  
 何が狙いだと訊かれても。店を開けようにも従業員が一人もいなくて困っているのだ。 
 一人分の採用の手間が省けるのだからやらない手は無い。彼女の力に頼らなくても金なんて働けばいくらでも稼げる。 
 まさか自分が変なことでもさせようと思っているのだろうか。契約内容にも記した通り、そんなことをしたらペナルティ待ったなしなのだが。 
  
 「え、ええぇ〜…?それがついさっきまで私を組み伏せた人の言論…?もうわけわかんないよ…」 
  
 別に契約するのが嫌ならそう言えばいい。不法占拠の件は見逃してやるのだからそれでいいだろう。 
 一人で頑張って生きるといい。ゴミを漁るなり野垂れ死ぬなりお好きにどうぞという話だ。 
  
 「薄情…!いくらなんでも薄情すぎませんか…!?同じ人間とは思えないです!」 
  
 最大限の譲歩を疑った人がどの口が言っているのやら。こちらは既に契約書という形で誠意を見せている。 
 どう判断するかはそちらに委ねているというのに。 
 いったい自分に何を求めているのか。もしや、同情でもしてほしいのだろうか。同情で腹も膨れなければ金も手に入らないというのに。 
  
 「…もしかして、本当に私の面倒を見てくれるんですか?面倒くさいクソアマとか思ってません?」 
  
 ネージュが面倒くさいのは今更だ。このやり取りで分かりきっている。 
 多少面倒くさかろうと、仕事を手伝ってくれるなら採用を躊躇う必要などない。こちとら猫の手でも借りたい悲惨な状況なのだ。 
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