92:名無しNIPPER[saga]
2024/03/12(火) 09:52:28.15 ID:bykS1aeaO
二人の動揺は分かりやすかった。非常に分かりやすかった。ネージュとタメを張るレベルの分かりやすさだ。
モニカはソワソワと落ち着かない様子でこちらに視線を向けている。時折下を見ているが、何か行動していないと落ち着かないだけだと思われる。
対するサンドラはと言うと、威風堂々とした佇まいで髪を靡かせていた。白磁のような細い指から艶やかな金髪が流れている。
表情からも合格して当然という余裕がありありと感じられた。
だが足は震えている。それはもうガックガクに震えている。武者震いや貧乏ゆすりを通り越してもはや大地震である。
あまりの惨状に表情が崩れそうになるが、もっと他の使い方があったのではないかと投げやりに考えながら、冒険者生活で培った鋼の精神力で耐える。
無表情かつ絶対零度の眼差しを携えたステラの様子に、二人の動揺がより顕著になった。
「わ、私何か失言でもしましたかしら!?だとしたら謝りますのでご容赦を!!」
「やっぱり駄目ですよねそうですよねこんな私が人並みの生活をしようとしてごめんなさい…」
おかしい。ここまで怯えられるとは思っていなかったのだが。ステラは目の前の光景に困惑しながら表情を戻す。
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