71:名無しNIPPER[sage]
2025/01/20(月) 22:01:34.41 ID:KFyH13Du0
 きな子は小さく息をつき、手元に視線を戻した。 
  
 そこには湾曲した竹材が半月形のカーブを描き、カーブの端から端を細い糸が結んでいる━手製の弓があった。傍らに置いていた、枝の先端を削り鉛筆のように尖らせた矢をつがえてみる。 
  
 強度にかなり不安がある上、ずいぶんと時間が掛かってしまったが━これで何とか完成だった。 
  
 発想の元になったのは、きな子が小学生の頃に経験した自然教室の記憶だった。 
  
 クラスの皆と一緒に、山の中にある物で工作をする授業の一環で…あの時に作ったのは確か━バードコールだった気がする。実家を探せば出てくるかもしれない。少なくとも、こんな物騒な物を作った子はいなかった。 
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