32:1[sage]
2010/06/02(水) 18:18:20.57 ID:voI3GIoo
「ダルク君は悪い人じゃないもん」
今度はダルクが目を丸くする番だった。
「どうしてそう言い切れるんだ」
「使い魔見てたら分かるんだ。ディー君、全然悪い子じゃなかったし」
「そんなもんか」
「そんなもんだよ」
「ふうん……」
「……」
エリアはまだ何か言いたげだったが――
――そのとき、窓の方から突然騒がしい物音、鳴き声が聞こえてきた。
この声は……爬虫類?
「あ、ギコ君が起きたみたい」
エリアは立ち上がるが早いか、立て掛けてあった杖を取り、戸の方へ向かっていった。
「もうちょっと寝てなよ。そろそろ眠くなったでしょ?」
「ん……」
たしかに微妙にまぶたが重い。
身体が布団に引っ張られる。
「大丈夫、あのスープの薬効だから。つぎに目が覚めたらたぶん痛みも引いてるよ」
「それじゃ」と言い残し、エリアは慌ただしく部屋を後にした。
最後に後ろ向きのミニスカートがひらめいた瞬間だけ、薄目の映像に残った。
(あー……いい夢見れそう……)
次第に混濁が入り混じり――そのままダルクの意識は闇に堕ちていった。
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