過去ログ - 闇霊使いダルク「恋人か……」
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460:1[sage saga]
2011/04/30(土) 17:39:28.69 ID:qsCpNoado



 ……――。
 ――ルクン――。
 ――ねぇ――ル君てば――

「ダル君」
「……んぁ……」

 肩口をつんつんと指でつつかれる感触。
 半分意識を取り戻したダルクは、自分を呼ぶ声に寝ぼけた顔を上げる。
 
「ダル君、起こしてごめんね」
「あぁ……別に……。!!」

 がたんと音を立て、ダルクは飛び上がる勢いで退いた。
 ち、近いっ、ウィンの顔が!

「どしたの?」

 起き抜けで至近距離に女の子の顔があったんじゃ誰だって心臓が音速ダックだろう。
 ウィンはすぐ隣のイスに腰かけ、ダルクと同じように机で寝るような格好でこちらをみつめていた。
 いつの間にか髪型をポニーテールに結っており、霊使い共通の大きなコートも羽織っている。
 
「い、いや、なんでも……ってまだ昼じゃないか」

 窓の外を見て脱力する。
 同時に、身体の疲れがまだ抜け切っていないことに気づく。
 目元も重く全身に力が入らない、しかも変な体勢で寝たもんだから身体の節々が痛い。

「うん。もうおひる」 

 夜行性のダルクにとって昼間はまだ睡眠時間だ。
 ダルクは目頭をつまんで椅子にもたれ、それをウィンが姿勢を変えずに眺める。
 ダルクの視界の端、机の下で足をぷらぷらさせているのが見える。
 ぷらんぷらん。ぷらんぷらん……。
 
「そっか……まだ昼か……」
「うん。おひるごはん、ある?」
「ない……」
「ざんねん」
「あぁそうだな……じゃあ買ってくるか」

 ダルクは言ったあとで、「うん、それいいな」と自分で付け加えた。

 今日は町に出てみよう。食料の買い出しだ。
 町は、外の世界に出てから真っ先に行ってみたかったところだ。
 聞くところによると、たくさんの人間型のモンスターで溢れかえっているという。
 そして毎日、さまざまな物品と幾多の金銭が飛び交っているとか。
 魔法を扱う店だって、図書館だってあるそうだ。
 師匠の話を思い起こすほど憧れは募る。
 行ってみたい。よし、今日行ってみよう!



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