5:1[sage]
2010/05/30(日) 02:37:56.27 ID:1o/NXgko
荷下ろしは存外すぐに終わった。
着替え、魔道書数冊、申し訳程度の食料に少しばかりの金銭――元より持ち込んだ物資はそう多くない。
基本的には自給自足に基づいて日々を過ごすことになる。
一息ついたところで、ダルクは使い魔を呼んだ。
「さてと。それじゃここらを探索しに行くか」
待ってましたと言わんばかりに一つ目コウモリが羽ばたいた。
ダルクは闇に属する精霊使い。本領とする活動時間は夜間だった。
というより彼の場合、外界の昼間の光に対しまだ十分な耐性が備わってないこともある。
探索というのは、もちろん未踏の周辺地理を把握する必要もあってのことだが――
「よし……よし……よーし準備できた」
むしろ子供染みた冒険心が最たる動機だったりした。
住居を変えたことで舞い上がった今の気分にこれ以上うってつけの仕事はない。
「外では何があるか分からん。くれぐれも大人しくしておけよ」
使い魔はすぐにダルクの肩に止まり、小さく縮こまった。賢い。かわいい。
ダルクは杖をもちかえ外套をひるがえすと、根城となって間もない小屋を後にした。
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