過去ログ - 闇霊使いダルク「恋人か……」
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74:1(ストック終)[sage]
2010/06/14(月) 17:37:14.52 ID:kHbM8s2o
「……あっのどかわいた」

 ウィンが思い出したようにぽつりと言った。

「渇くほど喋ってないだろ」
「なにかのみものある?」
「ず、ずーずーしいな。それが人に物を頼む時の態度か」

 するとウィンは半目をパチパチしばたたかせた。
 何をするのかと思ったら、イスを引いてこちらに向き直った。
 テーブルの上に綺麗な指がペタリとつかれる。
 そのままゆっくりとこうべを垂れながら、

「なにかのみものをください。おねがいします」

 と今までとは考えられないほどの礼儀正しさを見せた。
 ふさふさポニーテールの先っぽがキュート。
 意表を突かれたダルクは困惑する。

「い、いいよそこまでしなくて。別に飲み物くらいは……」
「ついでに一晩泊めてください」
「おいしれっと追加要求するな」
「だめ?」

 ウィンの顔が上がり、眠そうな無表情が「ん?」と首を傾ける。
 くっ……なんて奴だ!
 こうやってした手に出たり可愛いアピールすることで、今まで自分の住みかを取り込んできたのか!
 非道! 小悪魔! 魔性の女狐!
 エリアとの一件で、女の子と二人屋根の下で寝るには抵抗あるっていうのに!
 一晩泊めろだと? 笑わせるな、こっちは心身ともに疲れてるんだ!

「……一晩だけだからな……」

 ダルクはぼそりと言った。
 ウィンは眠そうな目を少し開いて、口の端を少しだけ釣りあげた。

「ありがとう」

 ほんの微笑した顔なのに、彼女の場合は満面の笑みにみえた。
 反射的にどきりと胸が高鳴るダルクだった。



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