過去ログ - 闇霊使いダルク「恋人か……」
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87:1[sage]
2010/06/20(日) 16:03:31.51 ID:AbvfNRQo

「じゃあ、ダル君だね」
「? 違う違う、ダルクンじゃなくてダルク」
「やっぱりダル君だ」

 やっぱりよく分からない子だ。
 ダル君か。まぁ呼びやすくはあるだろうな。

「じゃあオレは出かけてくるから、大人しく寝とけよ」

 ダルクは背を向け、その場を去ろうとする。
 特に用事があったわけでもないが、プッチ君の凝視がどうにも気に障って仕方がない。

「ねぇ、ダル君。最後に」

 呼びとめる声に振り向く。
 眠そうな無表情、その奥に――いたずらっぽい笑み。
 
「わたし、さっき屋根の上にいたけど」
「ああ」
「ぱんつみた?」
「ぱんつ……?」

 その意味を数瞬後に理解し、ダルクは絶句する。
 直後、慌てて。必死に。全身全霊で。
 猛烈にミニスカートの奥には何も見えなかった旨を主張した。
 
「ふぅん……どっちもいーや」
「だから見てないって!!」
「ダル君」

 枕から顔だけこちらに向けたウィン。
 思わず言葉を飲み込むダルク。
 例の微笑。満面の笑み。


「おやすみ、ダル君」



 ――この晩、ダルクの胸の高鳴りは、長く長く尾を引いた。
 いくら深呼吸を繰り返しても、そう簡単には収まらなかった。



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