過去ログ - 澪「好きだよ。………好きだった」
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4:気に入りません ◆EXypm9zea.[sage]
2010/05/30(日) 21:23:52.19 ID:ioYr9QDO
無邪気に笑う、少女。
潮風に髪は撫でられ踊る。
暗闇を照らす幻想的な光の中で、軽やかに歌いながら、唯はギターを掻き鳴らす。
私の胸を、音速や光速すらも超えたスピードで、貫いていく何かがあった。
「澪ちゃんありがとう!」
露天風呂の中で、唯は私の手を取って言った。
「合宿しようって澪ちゃんが言ってくれたお陰で、こんなに楽しいよ」
やめてくれ、と強く思った。むしろ私が、唯の何倍も感謝したい気持ちで一杯なのだから。
一生懸命楽しんだはずの合宿の最後に、消えて行きそうな気持ちだった私を救い上げてくれたのは、唯だよ。
そんな言葉はぶくぶく湯の底に沈んでしまって出てこなかったけれど。
握られた手だけは、強く、握り返した。
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