14:28[sage]
2010/08/02(月) 00:40:30.28 ID:pNc6mSoo
姫神は次の休み時間に声をかけても一切反応してくれなかった。
「ほらーカミやん。はやく土下座してや。こういう勝負事で負けた人が往生際悪いと白けてまうんやで?」
「そうだにゃーカミやん。ほら、『私はナンパして一人目の子を五分で落とせる一級フラグ建築士です』
って言いながらそこに這いつくばって謝れ」
「ふざけんな! さっきのだって姫神が一方的に決めたんじゃねーか。
そういうのをデートって言いきっちまうのはどうなんだよ?」
「カミやん? 僕やったらそれデートって思うよ? そういう展開けっこうあるし」
「今は二次元の話はしてないぞ」
ちょっと上条も分が悪いのを自覚していた。
授業中に思いなおして放課後に待ち合わせか、とドキッとしたからだった。
「んー、あくまでもあれをデートだとは認めないと?
「あ、ああ。そうだ」
「それじゃ今回はカミやんの言い分を認めてやるかにゃー。でもカミやん、二度はないぜ?」
「わかった。ちゃんと断らせればいいんだろ?」
「それじゃ次のターゲットはどの子にするん? 気の強そうな委員長とか?」
当麻が近い席に座っている吹寄を見ると、薄いブックレットから目を離してこちらを睨んだ。
「姫神のときから見てて事情を知ってるあたしに、貴様は声をかけるわけ?」
「い、いや。別に委員長サマにそんなことをするつもりは……って吹寄。
お前今度はそんなモンにはまってるのか?」
「え? そんなモンって、貴様これを見てもそういう風に言えるわけ?
この『どんなふくらはぎの張りでも一瞬で吹き飛ばす!
アステカ産黒曜石を丁寧に研磨して作った
トラウィスカルパンテクウトリの指圧棒3,980円』って!」
「それ科学っていうより魔術の匂いがぷんぷんしてるじゃねーか!
っていうか俺が言いたいのはその冊子のほうだよ。
そのシリーズ、西部山駅の近くの路地裏にあるいかがわしい本屋に置いてあった」
いつ通ったかは忘れたが、そこはオカルト系のトンデモ本を扱う専門店らしかった。
学園都市でオカルトは今日び流行らない。
必然的に魔方陣が表紙に載った通販カタログなんてものはそんなところにしか置いてなかった。
「上条。貴様、このカタログを置いてる店を知っているの?」
「あ、ああ」
「……いつなら、案内してくれる?」
「はい?」
急に吹寄の態度が軟化した。
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