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681:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[saga]
2011/05/13(金) 18:53:28.85 ID:J8XnLicu0

「あー、一方通行。お前も一緒に飲むかー？」

一方通行が深夜に目が覚め何となく眠れず、リビングに行って水でも飲むかと思い重い腰を上げてやってくると、そこには一人の酔っ払いがいた。
同居人の、黄泉川愛穂である。
彼女は椅子の背にこれ以上ないくらいにもたれかけており、ランニングシャツ越しのその自慢のバストを強調しているようでもある。
目はとろんとして、顔を猿のように赤らめ、こちらを見て意味もなくにやにやと笑っている。
これは厄介だ。
一方通行はそう直感した。

「警備員が学生にアルコール勧めていいと思ってンのか？」

「少しくらいいいじゃんよ。ほれほれ」

いつもと真逆なその態度には、呆れるほかない。
彼女が素面の時に、酒だの煙草だのやっているのが見つかれば、教育的制裁は免れ得ないだろう。
しかしそこは酔っ払い。
倫理も道徳も通用しない。

「俺は水がいい」

「軟弱だなあ。そんなんじゃモテないじゃんよ」

「余計なお世話だクソッタレ」

彼女は氷と白みがかった透明な液体が入ったグラスを片手に持っている。
ミネラルウォーターは出してあるのかもしれないと思い卓の上を見てみたが、アルコール類しか見つからない。
焼酎にウォッカに、日本酒にワイン。
最悪の想像をして、アルコールの味など知らないのに、気持ち悪くなった。

「オマエ何混ぜてやがる」

「ちゃんぽん結構いけるじゃんよ。糞まずいのも出来たけど」

そう言って、アハハハと笑いこける黄泉川。
正直、げんなりする。
別に理想の女性像などと言うものをこの万年ジャージ姿の同居人に求めてなどいないが、それでもしかし、最低限のつつしみというものを持ってもらいたいものだ。
打ち止めに伝染ったらどうする。

「オマエもう寝ろ。風邪ひくぞ二日酔いになるぞアル中で死ぬぞ」

「えー、大丈夫じゃんよー。それより一方通行、ほら、豆食べな豆」

黄泉川の前には、カシューナッツやらくるみやらピスタチオやらフライビーンズやら枝豆やらソラマメやらが皿に開け放たれていた。
悪乗りも過ぎる。
こんな量を食えると思ったのか。
飲み会に付き合うのはうんざりだが、勿体ないし小腹も空いたしで、少しつまむことにして、黄泉川の隣に腰掛けた。

「おら」

黄泉川にぎゅぅっと肩を組まれる。
酒臭い。
非常に酒臭い。
吐き気を催すほどのその異臭のおかげで、腕に押し付けられる膨大な質量の柔らかいものに気付くのが遅れてしまう。

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