過去ログ - 【駒鳥の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【帰り道】
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VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/09(土) 12:34:58.97 ID:vQzt6720
店の中は最近オープンしただけあって綺麗で、薄手のハードカバーのようなメニューも意匠がこらしてある。
私とオディールは、デザイン重視で座り心地が独特な椅子に腰掛けながら、ケーキが届くのを待っていた。
「やっぱり、いっぱい勉強した後は、頑張った頭脳に糖分のご褒美をあげなきゃ」
ずっと寝てばっかりだったオディールが、幸せそうな笑みを浮かべながら言った。
「かといって、甘い物の食べすぎには気を付けなくてはなりませんわよ?」
「ガリガリに痩せてるより、少しくらいぽっちゃりしてた方が良いんじゃない?」
「そういうものでしょうか?」
「さあ? でも、好きなものも食べられないなんて、嫌じゃない?」
「ふふ……確かに、おっしゃる通りですわね」
他愛ない会話をしているうち、私達のテーブルにケーキと飲み物が運ばれてきた。
オディールは、ブルーベリーのソースがかかったチーズケーキ。
私は、純白に赤を乗せたショートケーキ。
フォークで小さく切り取って、口に運ぶ。
甘いクリームが、僅かな余韻を残して溶けて消えていった。
「来て正解だったわね」
オディールがまるで独り言のように、そう言う。
視線を向けると彼女は、八割方出来上がったジグソーパズルを前にした子供のような笑顔でケーキを見ていた。
私は静かに頷いて、それからセットで付いてきた紅茶を一口飲んだ。
「幸せそうですわね」
彼女の表情を見ていると、思わずそんな言葉が口をついた。
オディールはケーキから私へと顔を向け、大げさに眉間に皺を寄せてみせた。
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