過去ログ - 【駒鳥の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【帰り道】
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7:『保守かしら』
2010/09/21(火) 07:19:22.19 ID:sJPmhbw0
『保守かしら』
2007年12月10日

 蒼星石のための演奏をしようと思ったら、なんだか練習する気分になってきたかしら。
 もう後何日もないけれど、できることはしようと思って朝からヴァイオリンを弾いたかしら。
 させられてるんじゃない練習をするのは生まれて初めてかも。
 でもね、弾いてるときはまだ楽なんだけれど、考え事をしてるときとかにぶつぶつなにかの
呟き声が聞こえてしかたなかったかしら。
 「うるさいかしら!」
 って言ったら、「金糸雀ぁ…?」って寝起きな感じの声がして、隣のドアが開く音がしたかしら。
 寝てたおねえちゃんを起こしちゃったって、思ってすごくまずい気がしたわ。
 顔を出したのは、もちろんおねえちゃん。アトリエで寝てると思ってたから、あわてたかしら。
 「おはようかしらー」
 たぶん笑顔は引きつってた。
 「なにがうるさいって?」
 「ちょっと蚊がいて困ってただけかしら」
 「今冬よ」
 「め、珍しいよねっ」
 「なにが、聞こえたの?」
 おねえちゃんの声が低くなったから、カナはごまかすのはあきらめたかしら。
 「はっきりとした物じゃないけれど…人の声みたいな物が聞こえるかしら」
 「なにかの聞き間違い…ではないわよね」
 カナはうなずいたかしら。カナの耳の良さはおねえちゃんだって知ってるし。
 おねえちゃんは何かを考えてた。けれど、声の事は何も言わなかったかしら。
 「ところで暖房も入れずに寒くないの?」
 「そういえば入れてなかったかしら」
 「ま、それくらい人の自由だけどね。そのままだと風邪引くからお風呂に入りなさい」
 そう言われてから自分がかなり汗をかいてる事に気がついたかしら。
 「そうするかしらー」
 カナが部屋を出て階段を降りてる時に、「学校は休みにしておくわ」って言ったかしら。
 「えっ」
 びっくりして振り向いたら、おねえちゃんがちょびっと保れて、ちょびっと楽しそうに笑っ
てたかしら。
 「その様子じゃ気がついてなかったんでしょうけれど、もう昼よ」
 「でもずる休みとか、いけないかしら」
 「やりたい事があるんでしょう。たまにはいいわよ」
 「ありがとかしら」
 お風呂に入りながら、おねえちゃんは本当にカナの事をわかってくれるんだなって、泣きそ
うになったかしら。

 それから、カナはずっと24の奇想曲の練習をしてたかしら。でも本当に難しい曲…弾くだ
けで精一杯の演奏なんて蒼星石は喜ぶかしら?


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