過去ログ - 【駒鳥の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【帰り道】
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70:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/10/14(木) 10:48:22.74 ID:s.rf0Ywo
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公園のベンチに腰かけた二人。
買ってもらったジュースを飲みながら、雛苺ちゃんはぽつぽつと今までのことを話しました。

「そっかぁ、そんなことがあったんだね」

缶コーヒー片手にさえぎることなく聞いていたみっちゃんは、雛苺ちゃんが話し終えると同時に大きくうなずきます。
雛苺ちゃんはしょんぼりとした顔でつぶやきました。

「ヒナ、カナと違ってきっと『さいのう』が無いの。きっと自転車は乗れないわ」
「ううん、それは違うと思うな」
「?」

きっぱりと言いきったみっちゃんに、不思議そうに顔を向ける雛苺ちゃん。

「カナもね、最初は全然乗れなかったんだよ」
「ほえ? そうなの?」

初耳です。
確か記憶では、あの日カナは『ふっふっふ! カナは初めて五分くらいで乗れるようになったかしら!』
なんて言っていた気がするのですが。
驚いている雛苺ちゃんにくすり、と笑って、みっちゃんは続けます。

「ふふ、どうせあの子の事だから『すぐ乗れたかしら!』なんて言ったんだろうけどさ。
 毎日毎日練習して、それでも本当に全然だったの」

昔をなつかしむようにメガネの奥の目を細めて、みっちゃんは空を見上げました。

「それで私もさ、もうやめようって言ったのね。大きくなってからまたやればいいじゃないって。
 毎日お風呂場で傷がしみて痛がってるの、可哀想だったし」

「……カナは、なんて答えたの?」

「『あきらめないかしら! 次は乗れるかもしれないもの!』って。次で出来なかったら? って聞いたら
 『その次はきっと乗れるかしら!』って」

ぐい、みっちゃんは缶コーヒーを勢いよく飲みほします。

「そのときカナはえらいと思ったよ。
 結局、それから一週間ぐらいずっと練習して、やっとカナは乗れるようになったんだ。
 あのときはうれしかったなぁ、うん」


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