過去ログ - 【駒鳥の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【帰り道】
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90:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:22:22.21 ID:2Lqc5S60
私は真っ暗な部屋で、薔薇水晶のベッドに腰掛けた。

闇の中で、時計の秒針が規則正しいリズムを刻む。

時折、どこか遠くを車が走る音が聞こえる。
以下略



91:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:22:51.38 ID:2Lqc5S60

槐さんは何も言わず、机に向かったまま人形作りを続ける。
その背中を、私はただ見つめる。

しばらくしてから、私が足を一歩踏み出すのと、彼が作業の手を止め振り返ったのは同時だった。
以下略



92:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:23:18.65 ID:2Lqc5S60

「……どうか……」

心臓と耳が繋がってしまったように、自分の鼓動が、大きく聞こえる。
以下略



93:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:23:48.51 ID:2Lqc5S60

「どうして……!」

私は叫ぶように言いながら、再び彼に手を伸ばす。
でも、私の手は彼に届かなかった。
以下略



94:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:24:16.86 ID:2Lqc5S60

ベッドに腰掛け、ただぼんやりと時間を過ごす。
頭に霧がかかりでもしたように、私は何も考えてなかった。

やがて、朝日が昇るのがカーテン越しに見えた。
以下略



95:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:25:37.08 ID:2Lqc5S60

ご飯を何も食べてない事を思い出した。

どうでも良い事のように思えたので、忘れる事にした。
以下略



96:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:26:10.72 ID:2Lqc5S60
「……来て……!」

薔薇水晶は、彼女にしては珍しく強い口調でそう言い、寝ている私の手を引っ張った。
ぼんやりとしていた頭が徐々に覚醒し……私は彼女がとても怒っている事に気が付いた。
以下略



97:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:26:39.67 ID:2Lqc5S60
しばらくの沈黙の末、最初に動いたのは薔薇水晶だった。
彼女が槐さんに睨むような視線を向ける。
すると、彼は諦めたように深いため息をついた。

「確かに……」
以下略



98:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:27:15.37 ID:2Lqc5S60

それから槐さんは、言い訳でもするように、少し視線を泳がせた。

「……君が何の気兼ねも無く家に来てくれていると思い込んで……
 大切な言葉を伝えるのを忘れてしまっていた」
以下略



99:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:28:21.71 ID:2Lqc5S60

お父様、これが家族のぬくもりなのですね。

私も顔を上げて、今すぐにでも、この優しさに応えたかった。
以下略



100:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2010/10/24(日) 00:29:33.07 ID:2Lqc5S60
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