855:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/02(水) 01:19:44.92 ID:QdSb/MA2P
ペトロ「しかし、我らの神は御一つの存在でありますが、イギリスやロシアを始めとして十字の教えは一つでは無く、またユダヤやイスラムなどという同じ救世主・預言者を待ち望み、同じ神を信仰しているにもかかわらず、我らローマとは異なる道を歩んでいる」
ペトロ「確かに神は寛大な御方、それ故に全ての人間を蘇らせるかもしれない。しかし、公審判のルールは一つでなければなりません。一部の矮小で悪辣な教えの為に特権的な救済を受ける集団がある、などという状況は絶対に認められない」
ペトロ「それが故に、我々の前を神の国へと導く救世主は今だにその御姿をお見せにならない。これは、悪辣な教えに邪魔をされていることにより、我々の救済までもが狂ってしまっていると言う事を意味しています」
ペトロ「更に、先日行われたアメリカの大統領による声明。まるで神の行いを蛮行とし、人類を挙げて対抗しなければならないとするような姿勢は、神への不遜に他なりません!」
ペトロ「つまり、彼らの存在によって、我々の救済は更に歪な物になるやもしれないのです!!」
ペトロ「だからこそ!! 我々は、信じて闘わねばなりません。その相手とは、イギリスなどの邪な教えの勢力が送りこんでくる敵であり、神に抵抗する科学と言う存在からの誘惑と攻撃です!」
トロペ「仮にその戦いの最中に命を失うようなことが有れど、その尊き死を神はご覧になっている。復活の後は、必ず神の国へ御導きになります!! ここに私は宣言しよう! ローマの為に死ぬことは、圧倒的な善であると!!」
ペトロ「そして今から我らにその大義があることの証明を、我が兄弟達にお見せしましょう!!」
彼がそう言うと、演説を妨げない為に鳴り止んでいたいた楽器たちが再び旋律を紡ぎだし、バチカンの空を覆っていた分厚い雲が裂け、昼の太陽光がサン・ピエトロ大聖堂を照らし出していく
そして聖堂の上にあるドームの先端の小さな十字に赤色で光が集まったかと思うと、それは一瞬でとある形を成していき
鷲を思わせる猛々しい翼を両肩に備え、赤色の衣を巻き、右手に剣を持った人の形をした存在が現れる
高さ120mの大聖堂の約半分を占めるドーム部に負けない体躯をもった大天使が、その場所に降臨した
それは、偶像崇拝に出てくる彼の姿そのもので、その場に集まった信徒たちはその存在が如何なるものなのか、立ち所に分かってしまう
「……ありゃ、ミカエル様だぜ!!」
神話によるものだけ、と半ば思われていた天使という存在が、バチカンの宮殿を守る様にして現れた
ペトロ「科学は言った、神は居ないと! 邪法は言った、ローマこそ邪法と!!」
ペトロ「ではこの存在は、この、我々を守護し天の軍勢を率いる頂点の存在は、一体何だというのでしょうか?!」
ペトロ「もちろんこれは、我々の教えが正しく! また神に選ばれたるものであるとの証明に他ならないのです!!」
新教皇がそう叫ぶように声を張り上げると、民衆は、信徒は歓喜した
そして、その歓喜の声に促されるかのように、ミカエルと呼ばれる巨大な天使は大きな声を、まるでファンタジーの世界に出てくるグリフィンのような動物的で荒々しい雄たけびを張り上げて、その巨腕に握られた剣を真上に振り向けた
その剣先から赤く太い直線が天へ伸び、有る高さに到ると複数に分裂して、別々の方向へ伸びて行く
直線によって裂けた雲間によって、彼の天使が何をしたのかローマの市民にも理解できた
その赤い光の塊は、今にも欧州を焼かんと振り削ごうとしていた隕石群を迎撃したのだった
ペトロ「今この瞬間!! 我らを襲わんとする混迷した天の刃からの恐怖は拭い去った!!」
ペトロ「このように! 我らの守護者は神の降臨が降臨するその時まで、ローマを守り、ローマの敵を裁くでしょう!!」
新教皇のその発言によって、更に大きな歓声がローマを包んだのだった
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