876:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/07(月) 08:16:31.55 ID:MkIBRDJ+P
「最初から最低数ギリギリでしたから、絶対数が不足しています。今手に入ったリミッター解除によって制御不能となった個体数情報を加味すると、稼働率は約……50%」
「わかった。兵の数が足りんと言うのだな」
女性大佐が、偉そうな帽子を脱義ながら言った
「……!! まさか、大佐殿が直々に、ですか?!」
「ああ。駆動鎧の教習は、名義上、私も教官の一人だったからな。当然動かす事だってできるわ。最前線から離れて久しいが、実戦の経験ではひよっこ共には負けんつもりだ」
言って、彼女は胸元を開いてトップを取り出し、チェーンのアジャスターを取り外して、制服の下に隠されていたネックレスを身から外した
ネックレスのトップには、くの字に曲がったライフルの弾が有る
それを、目の前でトレーラーの外から突き出ている風力発電のプロペラであったものに、引っ掛けた
「置いて行くのですか?」
「ああ。死んだ夫になるはずの男から、生前に渡された弾避けなんだが」
少し年配の女性大佐は広げた胸元を元に戻し、トレーラーの出口へ
「自ら弾に当りに行くのに、コレを持っていくわけにはいかないからな」
「しかし、指揮はどうするので」
他の士官が聞いた
「当面は、大尉、お前が執れ。事が終わったら総司令官殿に一任しなさい。私程度の代わりなど、いくらでもいる」
「……了解です」
出口の扉を半分程開いたところで、女性大佐は立ち止まる
「ああ、それから」
「はい」
「技術者の連中に伝えておいてくれ。私達が守ってやったんだ、必ず"神の国"とかいうバカげた石ころを破壊できるようにな、と」
「……分かりました。駆動鎧はコンテナの奥の奴をどうぞ。残っている奴では一番調子が良い物です」
「ありがとう。それでは、逝ってくる」
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