883:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/07(月) 08:21:16.93 ID:MkIBRDJ+P
人間ではない
そう集団が思うと同時に、垣根は集団の方へ向けて、何も無い空を殴る様に拳を振る
ブァッっと、拳圧というにはあまりにも強い風が発生して、集団の中には覆面が吹き飛んだ者もいた
これは本当に人間ではない。超能力者に加えて、TVや実体験でも、天使が現れるわ、絶対的な破壊者は現れるわという世の中になっていること伝えてられている
どんなことが有ってもおかしくは無い。銃弾も効かず金属バットも効かず、振りかぶっただけで突風を起こすような人外の存在が居てもおかしくないのだ
そんな存在を目の前にしてどうして、抵抗する気になれるだろうか
集団はバラバラに散って逃げ出していく
最後に残った、最初に垣根に近づいてきた男たちへ個別に視線を送ると、その男たちも散っていった
その"待ち合わせ場所"に残った最後の一人となった垣根は、集団に囲まれてリンチを受けていた人間の方へ歩み寄る
そこには、5人の黒人系の一つの家族と思わしき人々が倒れていた
4人の大人に、1人の義務教育も始まっていないであろう子供
脳漿が飛び出ていたり、銃痕が有ったり、あらぬ方向へ曲がった関節部が有ったり、目玉がくり抜かれていたり、鋸で中途半端に切断されていたり
子供を女性と思わしき人間が庇う様に倒れているが、子供の頭は半分近く吹き飛んでいた。銃弾を至近距離から受けたのかもしれない
垣根が来た時点、集団の隙間から僅かに見えた殴打の時点では既に、全員死んでいたのだ
垣根「間に合わなかった、ってレベルじゃねえな。本当に、人間って奴は……面倒臭えよ」
特定の信仰が有るわけでもない、そして当然無神論者の彼は、その死体に対して何をしてやればいいのか分からない
表面上だけでも十字をきることは出来たが、そういう気にもならなかった
垣根「コイツらが死んだのは例えば、麻薬の抗争とかなのかもしれない。だがよ、こういう事、増えて来てるんだろ?」
彼は虚空に問いかけた
イェス(ああ、そうだ)
間髪いれずに、応えが頭に響いてきた
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