983:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/07(月) 06:11:55.99 ID:jx+LUubQP
騎士団長「……アックアという名の者は居らん、そう言い返せ」
「了解……!」
聞いて、質問した騎士の一人は、更に周りを囲んだ他の騎士たちも、顔をしかめつつ強く頷いた
一見は詭弁である
確かに、イギリスではアックアは、ウィリアム・オルウェルとしての存在でもあるのだから、アックアと言う名前の人間など居ないとも言えなくはない
そのことは恐らく、テッラも知っているはずだ
しかし、騎士団長がそう言ったのにはもっと深い訳が二つある
一つ目。アックアは確かに、敵として現れた
しかし行ったことは違う。敵としてロンドンで暴れた神裂を抑え、更には命を賭けて第三王女を助けている
こんな人間をどうして敵に突きだす事が出来ようか
これが、特に騎士と呼ばれる人間の心理である
その心理を踏まえた以上、そして騎士団長の個人的な感情としても、アックアを突き出すとういう事は、少なくとも騎士団の間で深刻な士気問題に繋がる
二つ目。実はこれが現実的な理由だ
ローマ正教のテッラにとっては、ロンドン市民のことなど限りなくどうでもいい存在であるハズだ
本当にアックアをどうにかしたいのならば、わざわざこんな脅しをかけてまで、アックアのみを引き出そうとせず、それこそ一暴れした上で市民を人質にするなどして強引にアックアの場所を聞き出したりすればいい。それだけの能力は有るはずだ
だが、そういうことをしないということは、どうやらテッラには事を大きくしたくないという意識が働いていることが見えてくる
そんな意識がある以上、まだ事を大きくしないでいられる余地があるということだ
神の右席は強いだろうが、ここはロンドンだ。騎士の、イギリスの魔術的な力が集結してる。しかもテッラはその魔術能力上、1対多の戦いには弱い
その余地を利用して、強大なテッラをロンドン市民の知ること無く闇に葬る準備を整えれば、テッラを対処する事が出来るかも知れない
騎士団長はそこまで考えて、その指示を出したのだ
団長の返事を聞いて下がった騎士から目を離し、騎士団長はそのまま、最大主教と会話をするべく、術式的なチャンネルを開いた
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