過去ログ - 上条「なんだこのカード」その2
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985:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/07(月) 06:12:54.16 ID:jx+LUubQP
まずこの天使の力(テレズマ)反応が正誤なのか、仮に正しいならば敵の用いる魔術的な兵器(≒霊装)や術式によるものなのか

あるいはこのタイミングでニューヨークを焼き尽くさんと現れた、"終末によってあらわれた破壊天使あるいは破壊神"なのか、判断は下せない

特に最後者なのだとすれば、それは今から使おうとしている未元物質駆動駆動鎧の本来の相手であり、制限などしている場合ではない

もちろん、中尉にはそんな判断を下せるわけは無かった

そんな様子を見て、中佐は表情を緩め、外を見る

そこらかしこから上がる煙、兵器の放つ火薬の臭い、物が焼ける臭い、崩れた建築物、壊れた自動車、踏み荒らされた人間の死体

決意を固めた様に、彼は頷き、もう一度中尉の方を向き直した

「行け、中尉。この場の最高指揮官は私だが、今は情報共有がままならない。これから貴様には駆動鎧部隊を動かす最高指揮官となって貰う」

中佐は胸から取り出した名刺大の薄い板の上を、指でなぞる。そのことによって透明だったそれは色を持ち、文字を表す

そのまま上官から、部下である中尉の手元にそのカードが渡される。浮かび上がった文字は権限制限を設けないと言う意味の"NO LIMIT"

それは、最重要機密である、ニューヨーク南の湾で沈降している潜水輸送艦の中にある駆動鎧格納施設への認証キーであった

そしてそれを使ってその場所に入る事で、未元物質の自爆を防ぐための制御リミッターを解除出来るように、つまりフル稼働で駆動鎧を動かす事が出来るようになる

「駆動鎧の使用は貴様に一任する。残った我々は、貴様らが動けるようになるまで敵を北の方へ陽動しておく。だが期待はするなよ。この劣勢だ、長くは保たんだろうからな」

保たない、ということはつまり、彼自身も死ぬという事だ

つまり中佐は、陽動に決死で挑むつもりである

「……了解!」

上官の意図を読み取って小気味のいい返事を放ち、受け取ったカードキーをしまって、生き残った駆動鎧を扱える兵を従え、中尉達はそのビルを去っていく

それを窓から見た中佐は、残った人間に声をかけた

「軍曹、君の本来の仕事でないことをさせてすまなかったな。だが、それも終わりだ。ここに残った兵を集めろ」

「……了ォ解! 携行する武器兵器はどうしますか?」

「決まっている、有るだけ全部だ。派手に逝くぞ。それこそ、太平洋戦争時の、日本のカミカゼの如くな」


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