210:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]
2010/11/17(水) 17:34:52.32 ID:r1XwxLE0
部屋の扉が開いた。短い黒髪にパイロットスーツの上から漆黒のマントを羽織った女。自分を捕らえた女だ。
霙「君の隊長からの提案だ。こちらのマチルダ・アジャン中尉との捕虜交換だ」
長門「……そう」
小鳥の囀りのような返事をすると、ヒカルとスズがぐったりと肩の緊張を解いた。
ヒカル「結局、何も話してはくれなかったな。君の部隊は我々と同年代だと聞いていたから、話を聞きたかったのだが」
長門「…………」
スズ「ちょっとー! うんとかすんとかくらい言ったらどうなの!?」
長門「……そう」
とうとう耐えかねて両手を振りかざしたスズの襟を長門が掴んで引き寄せた。
スズ「ちょ、ちょっ……何よ……」
長門「黙って」
銅色の瞳がスズを正面から捉えている。浮いた経験の皆無なスズは脈拍の上昇を押さえつけていると、長門はすっと襟から手を放した。
長門「私は監視されている」
スズとヒカルに背を向けた長門は霙に連れられてすたすたと部屋を出て行った。
呆然としていたスズを窺っていたヒカルが何かに気づいて指さした。
ヒカル「スズ、襟に何かついている」
スズ「えっ?」
グレーを基調にした連邦服の襟が黒ずんでいた。いや、何かが書かれているようだ。
ヒカル「こ、これは……っ!」
スズ「な、何よ!?」
胸元に顔を近づけたヒカルの真剣な顔つきが恥ずかしくなって、スズは慌てて制服を脱いだ。
机の上に広げると、そこにはこう書いてあった。
『涼宮ハルヒは脅迫されている』
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