240:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]
2010/11/28(日) 19:53:26.75 ID:FzntPiw0
アリサ「…………」
コア・ファイターの操縦席でアリサは考え事をしている。
というより、考え事をしたいときに、アリサはコア・ファイターで出撃していた。
なのはとすずかが思っているとおり、アリサは迷っていた。
二人は親友だ。それは間違いなくそう言える。
だけど、言うべきことか、黙っているべきことなのか、アリサには判断がつかないことだ。
アリサ「まだしばらくは……黙っていたほうがいいのかもしれない」
アリサは今年十一歳になるが、ジオンの赤い彗星シャナとは姉妹であったのだ。
そして、彼女の父親はあのジオン・ダイクンなのである。
ジオン亡き後、姉妹はジンバ・ラル夫妻に守られて地球に移り住んできた。
ジンバ・ラルは用意していた莫大な資産で地球の名家バニングス家の名前を買った。
父との記憶はないが、姉との記憶はある。一番強い記憶はアリサが四歳の時、シャナがジオン入国を決めた時のものだ。
シャナ「私の父はジオンのザビ家に殺された。私は父殺しの仇ザビ家を討つべきだと思う」
まだ幼かったアリサにその言葉の意味はわからなかったが、姉のいない家にアリサが留まる価値はなかった。
出会った親友たち、なのはとすずか。ジオンの娘であるアリサにとって、二人は眩しすぎた。
そして、姉のシャナが地球を離れた理由がわかるようになると、それはアリサにとって嫌悪すべきものとなった。
アリサ「父が、子どもの不幸を喜ぶものか」
何よりアリサはジオンの娘となることで、なのはとすずかを失いたくなかった。
だから、二人が戦うことを選んだとき、民間人としてホワイトベースを降りることもできたのに、乗員として残ったのだ。
誤算はあった。いつでも人間の周りを飛び回っているそれが舞い降りたのは、大気圏突入時だ。
アリサ「……ツッ!」
操縦桿を握りしめながら、アリサは頭痛を堪えた。
あのとき現れた赤い彗星フレイムヘイズのシャナを見たときから、姉のことを思い出すたびに、額からこめかみのあたりを電気のような痛みが走るのだ。
それはあのジオン・ドレイクの同盟会見の映像を見たとき、ピークに達した。
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