399:Are you enjoying the time of eve?[saga]
2010/12/24(クリスマスイブ) 16:13:24.86 ID:MY9B1.g0
「いくよ、アルフ」
その少女が何かを呟いたのをなのはが遠目で気付いたとき、白い袖が左右で引っ張られた。
なのは「な、なに!?」
動揺している間に両足首も引っ張られ、まるで磔にされたみたいになのはの体は動かなくなってしまった。
唯一動かせる首をめいっぱい回すと、両手足に赤い鎖のようなものが巻きついていた。
なのは「なんなの、これ!? レイジングハート?」
レイジングハート「Chain bind.This is a magic chain」
なのは「チェ、チェイン・バインド?」
「そうさ、魔法の鎖さ。かかったら最後、すぐに脱出はできないよ」
レイジングハートの分析に親切な解説をいれたのは、なのはの背後に現れた女だった。
背が高く、肉付きのいい体をショートパンツに大胆なバストアップのベストにマントを羽織った娘だが、橙色の髪から犬のような耳が生えているのが、なのはの目に残った。
なのは「あ、あなたは……どちら様ですか!?」
「悪いけど、教えてあげる義理はないねぇ。ま、大人しくしていてくれたら、見逃してあげないこともないけど」
金髪の少女が黒い斧の先に魔力を集めてジュエルシードを近づいていく。
雷光の煌めきの如く美しく力強い――そして同時に儚さも感じ取れる魔力光だ。
「――Seeling mode get set」
なのは「ジュエルシードを封印!? どうするの! あれはとっても危険なものなんです!」
「さっきも言っただろう。教える義理はないって。おいたがすぎるとガブッ! っと言っちゃうわよ」
犬歯にしては長すぎる輝きがなのはの真横で音を鳴らした。
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