580:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/02/21(月) 17:45:33.87 ID:Wsw2B+7L0
何かが唯の後ろ、マジンガーZの正面に立ったようだった。とても大きい、マントがはためく音も聞こえた。
???「これはいったいなんだ……?」
唯「……だれ?」
声に唯は振り返った。
涙と鼻水でぐずぐずになった唯と目を合わしたのは、金色の鎧を身に纏ったとても大きな、マジンガーZと同じくらいの大きさの人だった。
いや、似ているのは背丈だけではない。似ているのは――
???「少女よ、これは何だ。この巨像……まるで、私の似姿ではないか?」
唯「……この子は、マジンガーZだよ」
???「マジンガーZ……マジンガーZというのか……少女よ、なぜ泣いている?」
唯「私は……ぐすっ、私、酷いことした……澪ちゃんやりっちゃん、ムギちゃんとあずにゃん……憂に酷いことをした……」
???「……そうか。だが、少女よ、お前は泣いている。涙が出るのは、お前が優しいからだ……」
唯「そんなことない……! 私は酷いんだよ……! ともだちを傷つけたんだ……!」
???「泣いてはならぬ……お前が泣きたいのは、自分のあやまちを償いたいからであろう……?」
唯「……でも、謝っても、許されないことを、私は……」
???「友達ならば、お前はその者たちをよく知っているのだろう……? 本当に、許してはくれない者たちなのか……?」
唯「……それは…………」
???「お前の優しさも、友達はよく知っているはずだ……きっと、許してくれるだろう」
唯「……ありがとう、おじさん」
???「お、おじさん!? 私はそういうものではないのだが……」
唯「でも、声がおじさんだもん」
???「むうぅ……」
唯「じゃあ、あなたは誰なの?」
???「そうだな、教えよう」
そう頷いたとき、荒野の世界が光りを放った。黄金色の粒子が唯の周囲を包み込み、唯と彼の距離がどんどん離れていった。
???「わた……えは……だ」
唯「あれ、ねぇ、よく聞こえないよ、ねぇったら!?」
???「私の名前は……だ」
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