644:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/02/27(日) 17:41:17.15 ID:xzchfqAl0
ゲイザムとは、おそらくこの新型メタルアーマーのことだろう。
テスト中の機体でたった一人で乗り込んでくるほどの能力は、彼女がエース級だということだ。
朝倉「あなたがD兵器のパイロットなのね。でも、今はそんなことに興味はないから、邪魔しないでくれたら見逃してあげてもいいわ」
口調はあくまで穏やかで、まるで夕飯のメニューを決めるような軽さだ。
シノ「だが、君の命令はもしや……」
つと汗が伝うシノに、まるでステップを踏むかのように朝倉涼子は応える。
朝倉「涼宮ハルヒの抹殺よ」
シノ「み、味方を殺すのか!?」
朝倉「仕方ないじゃない。彼女は邪魔なのよ」
シノ「ど、どういうことだ!?」
朝倉「ねぇ、『やらなくて後悔するより、やって後悔したほうがいい』って言うよね」
シノ「えっ……?」
朝倉「現状を維持するままではジリ貧になることはわかってるんだけど、どうすれば良い方向に向かうことが出来るのか解らないとき、あなたならどうする?」
シノ「な、何の話だ?」
朝倉「とりあえず、何でもいいから変えてみようとは思わない? だけど、上の人は急な変化は望んでないの。でも、現場はそうは言っていられない」
ゲイザムがまた青竜刀を振りかぶった。
シノは反射的に身構える。
朝倉「このままじゃ、どんどん良くない方向に転がっちゃう。だったら、もう現場の独断で強硬に変革を進めちゃってもいいわよね」
ゲイザムが瞬時にD−1の懐に青竜刀がうねりをあげて襲い掛かる!
シノ「うわぁっ!?」
朝倉「そんなもので私の打ち込みが止められると思う!?」
ガッ! ギィッ! バキッ!
シノ「うっ、ぐっ、うわっ!?」
強化コーティングの刃が精密な角度でシノに攻めかかる。一撃でも通せば重大な損傷は免れないだろう。
重い連続攻撃でドラグナーのモーターに負担がかかり、動きが止まる。
朝倉「そこっ!」
バキィッ! 堅牢な装甲から繰り出されるショルダータックルに吹っ飛ばされるドラグナー。
シノ「ぐあっ!」
衝撃で緊急姿勢制御が発動する。その反動で前後に大きく揺さぶられたシノの目の前がぐらつく。
シノ「ぐっ、うぅ……」
朝倉「じゃあ、死んでね。さようなら」
ぼやける視界で、メインモニターにゲイザムの黒い姿が映る。
シノ「ぐ……うあぁ……」
大きく青竜刀を持ち上げる威容に、シノは震えた。
あれが振り下ろされれば死ぬ。心臓が鷲掴みされたように痛む。
両手の震えが止まらない。震えは極度に緊張する体を弛緩させるために発生するもの。
その緊張は、紛うことなく――恐怖。
シノ「――ひっ!?」
青竜刀が落ちてくる! 声にならない悲鳴が体内で共鳴し、局所的に弛緩した部位を刺激する。
その時――
立夏「ちょえぇぇぇいっ!」
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