666:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/02(水) 15:47:06.60 ID:mnu8E9pc0
シノ「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
乱暴に起き上がり、今までの奈落がもう何度も見た悪夢だと知った。
シノ「はぁ……はぁ……」
蒼白な自分の頬を撫で、次にしっかりと首が胴とくっついていることを確かめる。
シノ「またか……」
毛布をまくりあげてため息を吐く。
夜中に水分を摂ることを避け、就寝前にしっかりとトイレに行っていたおかげか、充分に処理できる許容内だ。
シノはみじめな気分で尻の下に敷いていたタオルと木の板をベッドから下ろして、自分は滲みてしまった下着とズボンを脱ぐ。
シノ「このままではもうドラグナーに乗れないな……」
こんなことはもう四日目である。
原因は、四日前に遭遇したギガノス帝国の最新鋭機だ。
いや、あの機体だけが原因ではない。シノに精神的負担を強いるのは、パイロットであった。
ダメだよ。死んじゃうよ?――
うん、それ無理――
そんなもので私の打ち込みが止められると思う?――
じゃあ、死んでね。さようなら――
シノ「う、うぁぁ……」
あの毒蛇が絡みつくような声を忘れることができないのだ。
戦闘の翌日では、コクピットに座ることもできずに吐いてしまった。
それでも、一日ずつ、一時間ずつでも近づいていこうとする彼女に身体は応えてくれたようで、昨日はシミュレーションを行うことができた。
だが、やり過ごしたはずの恐怖のツケは夜中に回ってくるようだった。
夢は毎日酷くなっていく。
恐怖が毎晩更新されていくのだ。その度に彼女の下半身は大量の不純物でベッドを濡らしていた。
ドラグナーに乗るという使命がなければ、シノの精神はとうに破壊されていたかもしれない。
そのドラグナーこそが、彼女を追い詰めた原因でもあるのだが……
スズ「あ、会長、だいじょうぶですか?」
ルームを出たところで萩村スズと鉢合わせた。彼女は青ざめたシノを気遣う声をかける。
シノ「あぁ、今日は哨戒に出ようと思う」
スズ「へ、平気なんですか?」
無理に笑顔をこしらえてシノはスズの頭と胸を撫でた。
スズ「なんで私の胸を触るんですか!」
シノ「いやぁ、子どもの成長は毎日確かめなくちゃいけないだろ?」
スズ「ムキーッ!」
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