過去ログ - 唯「まじーん、ごー!」
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705:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2011/03/08(火) 18:10:25.62 ID:odrAhK6G0

 第十五話

ミケーレ「私が、諸君らゲッターチームを預かることとなった。機械化独立混成第44旅団大隊司令のミケーレ・コレマッタ大尉である! 」

 軍用車両から降りもせず、砂塵防止用のゴーグルをつけたまま、居丈高にミケーレ大尉が唾を吐いた。

夕映「極東方面臨時司令部早乙女研究所所属ゲッターチーム、綾瀬夕映、到着しました」

のどか「お、同じく極と――」

 砂に咳き込みそうなのを我慢して言おうとしたのどかとハルナの台詞は怒号で永久に奪われる。

ミケーレ「面倒なことはいい! 俺は貴様らに寝る場所を用意するだけだ! 貴様らのことは貴様らで勝手にやれ!」

夕映「りょ、了解!」

 オデッサは連日の乾燥と戦闘で酷い砂埃だった。
 行き交う軍人の全てがいきり立っては声を枯らして足りないパーツや武器をどこにいるともわからない技師に注文している。

 ミケーレは夕映たちの返事も聞かずに車両にもぐりこんでいた。

夕映「わぷっ」

 タイヤが回り始め、三人に砂がかかる。
 それに全く遠慮をすることなく車両が発進する――が、すぐにまた急停止することになる。

ミケーレ「畜生! どこの馬鹿だ! でかい図体でのこのこと!」

 叫ぶミケーレの前に止まっていたのは三角キャタピラにコンテナのような上体を乗せた砲撃戦用モビルスーツRTX-440 陸戦強襲用ガンタンクだった。

アリーヌ「ここかい! 次々と兵士が死んじまう死神の44連隊ってのは!」

 三機のガンタンクから出てきた兵士がしゃがれていながらもよく通る高い声で叫ぶ。

ミケーレ「ようやく到着か! 囚人兵ども! 後一日遅れていれば監獄に逆戻りだったぞ!」

ドロバ「ヨーロッパからくんだりそこら中ひきずりまわされたんだ! 来てもらっただけ良かったと思え!」

ミケーレ「仮釈放の身分でほざくな! 黙って命令に従えばいいのだ!」

ルイス「なんだと!」

アリーヌ「よしな!」

 それから、しばらく罵詈雑言をかけあってから、車両はガンタンクを避けて過ぎていき、ガンタンクの三人はキャタピラの近くで待機していた従兵に整備を命じてから、こちらへ歩いてきた。

アリーヌ「ん、なんだいアンタたちは? こんな子どもがどうして最前戦にいるんだ?」

 ヘルメットを取ったアリーヌ・ネイズン技術中尉が細い金髪の流れる美女だということにきづいて、夕映とのどかが圧倒されている脇から、ハルナがぬっと出て握手を求めた。

ハルナ「極東方面のゲッターチームよ。オデッサ基地攻略の助太刀に来たの」

アリーヌ「あぁ、アンタたちがスーパーロボットってやつか。私はアリーヌ・ネイズン技術中尉。こっちは部下のドロバとルイス」

 六人はそれぞれ握手を交わす。
 だが、一通りのことを終えると、アリーヌはそれきり関心を失ったように背を向けた。

アリーヌ「ま、アタシたちのことは覚えてくれなくていいよ。どうせここが最後になるんだからさ」

夕映「最後……?」



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