773:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[saga]
2011/03/29(火) 20:49:59.12 ID:H14cuRFu0
シャナ「用意はできたわね」
ラジム「はっ、いつでも爆破できます」
シャナ「いいわ、一時退避しなさい。爆破と同時に私とアッガイで内部を攻めるわ」
ラジム「了解!」
力のある敬礼で、ラジムとその一派は離れていく。
二人の再会に報告するべき原因があるとすれば、その時、彼らの動く足音の気配を一方が感じ取ったからだろう。
でなければ、何か、霊的な力が引き合わせたのだとしか思えない。
アリサ「ね、姉さん……?」
シャナ「アルテイシア……?」
二人は、視線を交錯させたまま硬直してしまった。
だが、次の瞬間、アリサは理由もなく銃を抜いていた。
アリサ「何故……! 何故こんなところにいるの、姉さんが!?」
シャナ「それは私も同じことだ、アルテイシア。優しかったお前が、どうして連邦の制服などを着ている?」
アリサ「そ、それは……」
黒髪をくるぶしまで垂らした少女は、妹の銃口が震えるのを見て、大胆に一歩前に出て、手を差し伸べた。
シャナ「いや、私はわかっている。友達のためだろう?」
笑いかける姉の表情はまさしくアルテイシアが幼い頃に見ていたものとおなじだった。とても、戦場の恐ろしい仮面の姿ではない。
シャナ「それをわかっていて、あえて私は頼む。軍から身を引いてくれないか、アルテイシア」
アリサ「勝手なことを……! 地球を征服して、何を楽しむつもりなの!?」
シャナ「私の目的は、地球ではない。賢いアルテイシアなら、わかってくれるだろう?」
アリサ「近づかないで!」
シャナ「アルテイシア。お前がいてくれれば、これほど心強いことはない。私の許に来るつもりはないか?」
アリサ「今の私の大事は、なのはとすずかなんだからぁーっ!」
ズギュゥッ! アリサの手の中の銃がシャナの左の空間を貫いた。
シャナ「……強くなったな、アルテイシア」
はらりと数本の髪を舞い散らしたシャナは、手の中のスイッチを高く掲げた。
シャナ「ならば、私もやるべきことをやらせてもらおう!」
指がスイッチを押すと、幾重にも重なった爆音と強震が、ジャブロー中に轟いた。
アリサ「これは……っ!」
揺れる世界の真っ只中で、シャナは身を翻していた。
シャナ「いいな、軍から離れてくれよ、アルテイシア」
アリサ「あっ……待って! 待って……兄さん=I」
遮二無二に追おうとしたアリサだったが、彼女がいる場所は一人で降りるには高く、肝心の背中は既にもうもうと立ち込める白と黒の煙に隠されてしまった。
アリサ「あ、あぁ……あぁぁ……」
必死に抑えつけてきた涙が、ついに堰を切って溢れ出てきた。
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