過去ログ - 唯「まじーん、ごー!」
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811:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[saga]
2011/04/08(金) 17:39:56.44 ID:OgOe422M0

 ガトーが体当たりでズゴックをどかしていなければ、迫り来る鉄の杭を避けることはできなかっただろう。
 ザクUから小さな爆発が起こったのは、敵手に潰されたクラッカーが暴発したのだ。

霙<加速>「ふむ、捉えたと思ったのだがな」

アカハナ「パーソナルトルーパー!?」

氷柱「一機じゃないわよ」

 突如現れたアルトアイゼンに驚く間にも、高台に立っているゲシュペンストTYPE−Rの周囲には、小さな円盤が二つ宙に浮いている。

氷柱<集中>「スラッシュリッパー、行きなさい!」

 ビシュッ! 円盤から三枚の刃が輝き、ザクUに向けて放たれた。

ガトー「ぬぅっ! 連邦の小細工か!」

 カァンッ! ガトーは一つをヒートホークで叩き落すことに成功したが、もう一つを左肩に喰らってトゲのついたショルダーガードを失った。

霙「ヒートホーン」

 短く呟いたアルトアイゼンの角が白く光った。狙いを定めた目はザクUの首に向けられている。

ガトー「おのれぇ!」

 ドォンッ! 爆発的瞬発力にガトーは負けなかった。

霙「むっ!」

 ザクUの両手が張り手のように突き出され、アルトアイゼンの顔を覆った。
 ヒートホーンとの差を僅か十数センチにされながらザクUは後退を続け、岩壁にぶち当たっても尚、手は離れなかった。

ガトー「ジャブローのモグラ如きに!」

霙「それは不愉快だ。一緒にしてほしくはないな」

ガトー<信念>「黙れ! 怠忽にスペースノイドを弾圧するだけの愚か者どもが!」

 咆哮にザクUの脚部が開いた。
 そこに収納されていたミサイルポッドが、自機誘爆の警告を無視して発射される。

 ドドォンッ! アルトアイゼンとザクUが爆炎に包まれた。

氷柱「霙姉様!?」

霙「心配するな、氷柱。私は無事だ」

 全身火薬庫のようなアルトアイゼンは、特に正面の装甲が厚く作られている。
 多少の損傷はあるが、問題はザクUのほうである。無事で済むとは思えない。

霙「!」

 センサーを確認していた霙が表情を変えた。
 黒煙の中、敵機のハッチが開いていたのだ。

霙「この爆発の中を逃げるのか?」



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