31:>>1にかわりましてカキネがお送りします
2010/10/31(日) 16:24:25.32 ID:2J6dQus0
―――PM00:15、学園都市第10学区、共同墓地……黒妻Side……
それから、四人して『K』ブロックを後にした。
那由他ちゃんは美偉に懐いたのか、ずっと話相手をしている。元々、彼女が子供好きなのもあって互いに仲良くなれたのだろう。
一方、残念な美人さんはただ上の空で煙管を吹かしていた。
黒妻「……大人になっちまうと、割り切れないものなのか」
テレス「さぁね。英雄は子供の頃限定の職業って……誰かが言ってた気がするわ」
黒妻「成程な」クスッ
オレも一本煙草を取り出し、紫煙を上らせた。
テレス「あんな糞みたいな身内でも、研究から離れれば普通の家族だったわ。怖ろしい程のギャップよ」
黒妻「へぇ。でもまぁ、大抵そんなもんだろ。公私を付けれるプロだったんじゃねぇの?」
テレス「存外アンタはポジティブだね……『義姉貴。たこ焼きパーティーするから材料持って来い』って言われた時は吃驚したわ」
黒妻「……たこ焼き?」
テレス「ええ。でも私がタコ買うの忘れて―――」
そこから……家族の昔話をする彼女は、普通の女に見えた。
義弟がプロ野球選手の折れたバット貰ってはしゃいでたとか、祖父が何時まで経っても新聞を箸で摘まむとか。
他の家族の話もチラホラされた……
とても明るいのに――悲しく震えた声だった。
テレス「―――……不思議ね。こんな普通の一族なのに、スイッチ一つで……狂人よ」フゥ・・・
黒妻「……」フゥ・・・
テレス「でも、それも……私で終わり。那由他には背負わせる必要は無いかな」ハハハ・・・
そこにいたのは、ただただ、優しい一人の姪を思う伯母の姿だった。
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