過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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140:1 ◆3vMMlAilaQ
2010/12/04(土) 00:10:42.04 ID:hWvG/zw0
「……っ、」
さびしいよ。そう呟かれて、一方通行の身体が強張る。
柔らかな音がしたと思ってゆっくりゆっくり振り返ると、番外個体がベットに再び横になっていた。
「……俺は、」
出ない。
言葉が出てこない。
俺は、オマエが求めてるヤツじゃねェンだよ
俺は、きっとソイツの代わりにはなれねェンだよ
俺は、俺は、俺は、
廊下の冷たい空気がひやりと喉を干上がらせる。
視界の端に映るのは、どろどろに溶けたアロマキャンドルの残骸。
普段焚いているのか、部屋の中は微かに甘い香りが漂っている。
しん、と雑音が一切消えた、気温の低い空間の中で、ふたり。
理性はあったか。
感情を抑制することはできていたか。
己が過ちを犯そうとしていることには気付いていたか。
頭の片隅に浮かぶのは、崩壊の二文字。
一歩、彼女に歩み寄る度に、これ以上進むとどうにかなってしまうと警笛がなっているにも関わらず。
しかし、歯止めが利かない。
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