過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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155:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/05(日) 20:01:02.43 ID:5fY6JHw0
真っ暗な部屋の中、静かに静かに、絡み合う。
聞こえてくるのは微かな水音と、ふたり分の吐息。
「……っ、ぁあ、ふぅっ、」
熱を帯びた番外個体が小さく声をあげて、身体を反応させた。
艶めかしいそれが、彼女の全てが、一方通行をかき乱す。
ぐちゃぐちゃに、ドロドロに、乱れて乱れて乱されて、それでも冷静を装って。
「…………大丈夫か?」
拒絶しない番外個体をみて、一方通行は彼女の髪を壊れ物でも扱うかのように撫でた。
「……痛かったらすぐやめるから言え」
――引き返すならば最後の機会を、一方通行は蹴り捨てて、
初めて感じるその痛みに、番外個体が僅かに顔を歪ませる。
それでも何も言わなかったのは、単に快感を欲する為か、声を出すことすら億劫な為か。
それとも
「××、さん、っぁ」
涙を零しながら、そこには居ない誰かを求めて、そして別の誰かをその人に重ねている為か。
それだけで一方通行の頭の中は一瞬真っ赤になって、それから真っ白になって、ちかちかと視界が点滅しているような気がしてきて、
……口づけなど、できる筈がなかった。
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