過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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167:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/05(日) 20:19:05.28 ID:5fY6JHw0
下品な会話の応酬を終えると、番外個体は大きめのエコバッグを取り出してきた。
「これに全部入るよね。……あ、それから昨日持ってきたその紙袋」
番外個体はテーブルの上に置きっぱなしになっていた紙袋を指さす。
昨日の夜、コンビニの袋と共に持ってきたものだ。
「すっかり忘れてた、中マカロンなんだけど大丈夫かなぁ?」
「要冷蔵って書いてあるけどな」
「まぁ夜は暖房も入れてないし十分冷蔵されてたよね。……あ、これはミサカのマカロンだからね」
「分かってるっつの、誰がンな甘ェモン食うか」
「美味しいらしいよ、××さ、……もといマザコンのお薦めだし。……あの時はマザコンの片鱗もなかったのに……」
番外個体は若干不機嫌そうな顔つきになってブツブツと呟く。
暫くこの話題はタブーか、と一方通行は今後の方針を固めた。
「で、あなたにはこれ」
番外個体が不機嫌さを払拭し、明るい声で何かを差し出してきた。
「コーヒー豆なんだけど、あなたの為にミサカがわざわざ買ってきてあげたんだからね?」
「すげェ良い香りじゃねェかコレ。……けどよォ、非常に言いにくいンだが」
「何?」
「うちにはコーヒーミルやらドリッパーやらそォいうモンがねェンだわ」
「……、そういえば見たこと無かったけれど。ていうかじゃああなたは一端にコーヒー好きをやってたわけ?」
「違ェよ。面倒じゃねェかいちいち。それに比べて缶コーヒーは偉大だよなァ。安くて手軽、よくぞここまで進化してきたっつーか」
番外個体はコーヒーを褒め称える一方通行を、何か残念なものでも見るような目で見てから、
「……なんかちょっと怖いよあなた。じゃ、ミサカ行ってくるから」
と袋をぶら下げ、途中で番外個体は彼女の部屋に立ち寄って物を詰め込んだ後、ばたんと玄関のドアを閉めて出て行った。
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