過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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333: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/23(木) 02:00:07.84 ID:proJgmo0

でね、と、番外個体は窓を背にしてこちらを向いたまま、


「うちにもツリー飾ろうよ」

「ハァ? なァに言ってンだ、うちにはそンなでかいモン飾る場所ねっつの」

「つれないなぁ、良いじゃん良いじゃん。最近は色んな種類も大きさもあるんだしさ。
 たまにはそういうの見て気分リフレッシュ爽やかなあなたに生まれ変わりましょう!」


番外個体はそう言っても渋る一方通行を見て、


「お願い! このミサカがここまでしてるんだから、ね?」


こたつに入って頬杖をつく一方通行の元まで窓辺からはいはいで寄っていくと、彼の顔を覗き込む様にして小首を傾げた。
首から下がるネックレスが番外個体の胸元を離れ、不安定に揺れる。
ふわりと彼女から微かに香る甘い香りに、一方通行の心臓がどきりと跳ねた。


「だめなの?」

「……っ、もォ勝手にしろ」


真摯に紅い瞳を見つめられて、思わず視線を逸らすと同時に承諾してしまう。
番外個体は途端に笑顔を咲かせると、


「ほんと!? さっすが第一位様、見直しちゃったよ! うひゃひゃ、麦のんにも自慢してやろ」


よほど嬉しいのか、立ち上がってくるくると回る。一緒にネックレスも遠心力でぶんぶんと回った。

もとから感情を率直にというか露骨にというか、ばんばん出してくるところがある番外個体。
出会ったばかりの頃は主に悪意に用いられていたそれは、今ではその他に、こうして喜びなどの『プラスの感情』を表現するのにも使われている。

そういえば出会った当初は目立ったあの不健康そうな目の下の隈も、今では徹夜した次の日以外は見ることもなくなった。

そう考えると大した変わり様だと、くるくる回る番外個体を見て一方通行はしみじみ感じる。
ちなみに、彼自身も以前に比べて大分変わったのだが、どうも本人にその自覚はあまりないらしい。



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