過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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339: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2010/12/23(木) 02:23:12.69 ID:proJgmo0

12月23日。
イブ前日で、日本では祝日とされるその日、学園都市では明日から一歩早い冬休みを迎える学生で溢れていた。
学園都市では終業式を終えて浮かれ気分でクリスマスプレゼントを購入、という流れが恒例となりつつある。
それは今年も例外でなく、ショッピングモールには制服姿の学生が多く見られる。

そして近寄りがたい異様な雰囲気を放つ、真っ白な能力者も一人。


「あァ? ……オマエらの事情なンか知るかっつの。いちいちンなことで電話してるンじゃねェよ。
 あのクソ女がどォした、……ハァ? ゲームだァ? 意味分っかンねェ、ともかくクソ女がいないせいで俺に面倒が回ってきてンだろ。
 だったらそのゲームぶっ壊すだのしてでも『仕事』させろっつの、こっちが迷惑なンだよクソッたれが」


着信に低い声くてイライラとした声で応じるその人物は、学園都市第一位の能力を誇る一方通行だった。
彼は相手が依然としてにゃーにゃー喚いているのも気にせず、通話を勝手に終えてしまう。


……暗部組織『グループ』の構成員の一人、とあるレベル4の空間移動系能力者が私的な事情に夢中で『仕事』を疎かにしているらしい。


「ハッ、祝日まで『仕事』たァご苦労様ってところかァ?」


一方通行はそう呟くが、重要な戦力となる女がいないからといって自分が愛想良く出て行くなどという発想は微塵もない。

第一、番外個体へのプレゼントはまだ何も決まっていない状態なのだ。

そんなことを最優先事項にしてしまう自分がクリスマスなどと言って浮かれているヤツらを馬鹿にできない事を痛感しつつ、
取り敢えず適当に大型のショッピングモールを歩いて何を買うかを決める。


麦野曰く。渡す人、つまりアンタが選ぶから意味があんのよボケ


そんなことを言われても、やはり貰って嬉しいものは嬉しいだろうが、その逆だって十分あり得るわけで。
電話を一方的に切った麦野は殺戮の繰り広げられるあの状況下で、良いこと言った、
などと満足しながらあの後も虐殺を行っていたのだろうが、一方通行からしてみるとそれは自己満足ではないのかと思うばかりである。

そしてやはり、彼女の有り難いお言葉『渡す人云々』も渡す人の自己満足にならないだろうかと不安になるのだ。



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