過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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5:1 ◆3vMMlAilaQ
2010/11/22(月) 23:06:01.61 ID:JdEVyyA0
彼女に対してそう返した一方通行だったが、実は内心、最近少しそう思うようになっていた。
というのは、最近番外個体がバイトをし始めたからだ。
この時間帯に帰ってくるのもその為で、夕方から働いている。
「こっちは暗部の仕事だってあるし、大体この俺が『いらっしゃいませェ』とか言ってたら客来なくなるのが目に見えンだろォが」
「うひゃひゃ、よーくわかってんじゃん。ていうかさ、それはどうにでもなるとして」
「なンねェよ」
「暗部って、最近『グループ』での活動もしてないみたいだし、実質あなたは抜けたようなもんでしょ?」
そう、確かにロシアから帰ってきたから、一方通行は一度もグループの仕事に出ていないし、誰とも連絡を取っていない。
帰ってきた最初の頃はグループのメンバーから携帯へ連絡が来ていたものの、それも無視していたら次第にこなくなった。
「もォ戻らなくて良いンじゃねェの? ま、反逆者の俺がいたらあっちもやりにくいだろォし、雑用なンぞ元から気にくわねェっつーか」
「ふーん。ミサカはどうでも良いけどさ。でも女の子に働かせといて自分だけのんびりしちゃって、なっさけないねぇ」
一方通行はそれを無視する。
彼女の憎まれ口いつものことだし、番外個体が本気で働けと言っている訳でないことも分かるからだ。
会話が途切れ、番外個体が買ってきたクッキーを貪る音だけが小さく聞こえてくる。
(貯金は借金返済に取られなかった分がまだ一千万だけだが残ってるし、暫くはそれでやってけるだろ)
自堕落な生活を送っていると、駄目な人間になりがちである。
『駄目な人間』に最近なってしまったかどうかは別にして。
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