過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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930:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/18(金) 13:50:07.94 ID:SMLw9DYPo
「俺に好意を抱くってことは、裏を返せば俺をよく思ってねェヤツ等の敵意を買うってことになる。
……それがどれだけのモンか、分かってンのか」
「うん。まぁ、こうしてあなたと暮らしている時点で覚悟はできてるよ」
「……本気か」
「地獄の底まで付いていくよん」
「…………本当に、オマエってヤツは……」
一方通行が呆れを隠そうともせずに溜息をついた。
本当に、呆れてしまう。
真っ直ぐすぎる番外個体にも、その覚悟に呆れを装っているに関わらず、内心嬉しく感じている自身にも。
「馬鹿じゃねェのか。何が地獄の底だっつの。……オマエが行き着くべき場所じゃねェだろォが」
彼女は強い。素直にそう思う。
気持ちに言い訳をつけて何もしなかった自分よりよっぽど強いではないか。
気持ちを伝えることで日常は質を変えるかもしれないし、一方通行に好意を抱くとはどういうことかは先程言い聞かせたのに。
……それでも答えは決して揺るぐことは無かったのだが。
その意思と覚悟には、呆れを通り越して感服する。
「――俺から、言えれば良かったンだけどな」
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