過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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937:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/18(金) 13:59:12.31 ID:SMLw9DYPo
その時、番外個体の身体が微かに震えたことに一方通行は気が付いた。
ぴくんという小さな振動が伝わってきて、そして、
「ひにゃう」
という、『どっからその声出してるの?』的な変な声。
当の本人はまるでそれらの事実を隠蔽するかの如く、
「……うん」
「何が『うン』だオイ」
何だか拍子抜けしたというか、緊張や、『愛してる』などと思い返せば偉く恥ずかしいことを言ってしまった羞恥が若干緩んだ一方通行。
ひにゃうって何だひにゃうって、と内心突っ込みたいのだが、番外個体の方はそうも気楽に構えていられないらしい。
彼女の茶髪の間に覗く耳が赤くなっているところを見ると、恐らく顔の方も朱に染めていることだろう。
羞じらうように大人しくなった番外個体を見て、一方通行は予想する。
「……オマエ、もしかして耳弱ェンだろ」
面白いことを見つけたと言わんばかりの調子でもう一度、囁きかけた。
番外個体の耳のすぐ傍で低く放たれた言葉は、彼女の背中をぞくぞくと這う。
「あ……っ、そ、そんなことない! 全然平気だし」
「へェ。ならどこまで耐えられるか、試してみよォか」
一方通行が引き裂かれたような、悪戯な笑みを浮かべた。
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