過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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945:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/18(金) 14:08:33.60 ID:SMLw9DYPo
どきどき。
心臓がぎゅっと締め付けられて、呼吸するのが苦しくなる。
けれど不思議なことに、今感じるそれは嫌じゃない。
「……してるよ。ちくしょう、スゲェばくばくいってやがンだ。オマエと居ると馬鹿かってくらいに」
一方通行が苦い顔をして忌々しそうに言った。
番外個体の方は対照的に、
「うにゃあ」
さも嬉しそうに、彼の胸にすりすりと。
暫くはそれで甘えん坊モードの彼女だったが、やがて何か思い出したように、
「そういえばさ、あなたって意外とヘタレだよねえ。ひゃひゃ、何だよあの『ちゅう』。
ミサカもっとディープなのを想像してたんだけど、あれじゃあ今時マセガキにも馬鹿にされちゃうよ?」
「オマエも十分マセガキだボケ。つーかよォ、初めてでいきなりそれは流石にねェだろ」
「マセガキ相手にこんなことやあんなことしてるあなたはロリコンかにゃーん? 大体ミサカ達は今更ちゅうごときでって感じじゃない?」
「それを言っちまうとなァ……」
「あーあ、ミサカがっかりだなあ。なーんていうか、恋人っていうの?
そういうのより親御さんみたいなちゅうだったよね。別にあなたに期待していたわけじゃないけど」
些か大袈裟な、演技臭い物言いをする番外個体。
その『ちゅう』で、彼女がどんな表情を浮かべていたか。
それ以前に、自ら『どきどきした』などと言っていなかったか。
しかしそれを言ってやるのは少々野暮というものだ。
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