過去ログ - 澪「私、あれに乗るんだ・・・」
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38:こーじろう侍[sage]
2010/11/25(木) 06:25:32.50 ID:PWoHFWY0
 何時からだろう、いつの間にか好きになっていた。小学生の頃、律の家で初めて彼を見た時は、私に弟がいない事もあって、彼の事をかわいい弟として見ていた。それが彼が中学生になった頃から少しづつ見方が変わってゆき、三年になる頃には、かわいい弟からカッコいい男の子として彼を見るようになっていた。そして今は大好きな彼氏(こいびと)として、私の心(はぁと)のスペースを誰よりも大きく占める様になった。




39:こーじろう侍[sage]
2010/11/25(木) 06:28:23.26 ID:PWoHFWY0
 「聡・・・逢いたいよ、聡・・・」

 あの日、聡に選抜クルーに選ばれた事を告白した時、私はあえて<澪姉>として気丈な態度をとった。心のどこかで、まだ自分は彼の姉みたいな存在だという思いがあったのかもしれない。
でも本当は、聡の胸に縋りつきたかった。弱音を吐いて、泣きじゃくって、その胸に甘えたかった。出来る事なら私の手を引いてこのままどこかに連れて行ってほしいとさえ思った。でも、出来なかった。あそこで聡に縋ってしまったらもう駄目になって戻れないと思ったから。辛くて、苦しくて、泣いて泣いて泣き腫らして、それでもやっとの思いで覚悟し、決意したものが、あっさりと決壊したダムの水の様に流されてしまうと思ったから。
以下略



40:こーじろう侍[sage]
2010/11/25(木) 06:40:32.37 ID:PWoHFWY0
 とりあえず今回はここまでです。

 読んで下さっている方が、いるのか甚だ怪しい気もしますが、物凄く読みにくい(特に最初の方の)文章で済みません。

 続きは近い内に書いていこうと思っていますし、必ず完結させるつもりなので、どうかよろしくお願いします。
以下略



41:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]
2010/11/25(木) 07:41:36.17 ID:0OyBZKEP
この手のSS見ていつも思うけど、キャラだけ別作品に持って行くって
クロスでも二次創作でもなんでもないよね

ちったぁ軽音楽やれよ


42:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage]
2010/11/25(木) 13:46:12.91 ID:SYTXYgs0
なんか寒気がするww


43:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
2010/11/26(金) 22:30:43.99 ID:8NHURkAO
何かと思ったら「ほしのこえ」かい
余り長くならないなら期待しよう


44:こーじろう侍[sage]
2010/12/01(水) 04:34:39.29 ID:DhwUcOA0
 痛い寒いの連続往復ビンタみたいなSSで申し訳ないのですが、ひっそりと書いていきたいと思います。


45:こーじろう侍[sage]
2010/12/01(水) 04:36:22.34 ID:DhwUcOA0
 2012年4月

 澪姉が行ってしまって、もう一年と四カ月が過ぎようとしていた。俺ももう高校三年生、そろそろ進路を考えなければならない時期にまで来ていた。
澪姉は今、火星に居るらしい。その澪姉が入隊してしまった時に月から送られて来た最初と、その後の何通かのメールを要約すると、俺に選抜調査団に選ばれた事を告白した日の深夜に突然、防衛省の人間がやって来て、本日より入隊するので一時間後に出発するから早急に準備してほしいと一方的に告げられ、荷物をまとめたりして慌しい中、気付いたら彼らの車の中だったという事。入隊から月基地でのオリエンテーションが終わるまでの間は一切の連絡が許されなかった事。クルーの中に高校の先輩がいて、何かと気に掛けて貰っている事もあって、今のところ何とかやっているという事。あと、姉ちゃんがこの事を知ったら動揺すると思うので。ちゃんと受験を受けられるようにサポートしてやってほしいという事だった。
 
以下略



46:こーじろう侍[sage]
2010/12/01(水) 04:39:33.02 ID:DhwUcOA0
 取り敢えず、澪姉が無事入隊して、思いのほか元気そうで良かったと思う反面、直ぐに泣いて帰って来たらどう慰めようかなどと考えている悪い自分もいた。そして、直ぐにメールを返信した後で、最初に考えたのは、どう姉ちゃんを宥めようかという事だった。
 姉ちゃんにも当然、澪姉から同じ様な内容のメールが送られている筈だ。何と言っても一番の親友が何の前触れも無く、突然どうやってもこちらからは手が届かない宇宙(ところ)に行ってしまったのである。これで、平静に居られる方がおかしいと思う。
 案の定、姉ちゃんは酷く取り乱してしまいには、「澪はんが月へ還ってしもうた。澪はんの正体は、かぐや姫だったんや」などと、全く訳の分からない事と関西弁を言ってしまう始末だった。

 冗談のような話はさておき、事実を知った姉ちゃんは最初は冗談かと思ったのか「おかしーし」とか言って笑いだし、次に冗談では無いと判ると、「何で私に何も言わず行っちまったんだバカ澪は!」などと言って怒りだし、怒り疲れると、「澪が私を置いて遠くに行ってしまった」などと言って泣き出し、泣き疲れると今度は「おい聡!お前この事を知ってたんなら、何故私に言わなかったんだ!!というか、お前、澪の彼氏だろ、彼氏なら叩いてでも彼女(みお)を止めるもんだろ!!!このへタレ!!!!」などと言って怒りの矛先を俺に向け、一通り俺を罵倒すると、今度は澪姉の事を心配しだし、終いには上に述べた妄言をおろおろと言ってしまうのだった。
以下略



47:こーじろう侍[sage]
2010/12/01(水) 04:44:55.68 ID:DhwUcOA0
 その数日後、今度は「澪が帰って来るまで大学には行かない。帰って来た時に私達だけ上の学年だったら、澪が寂しがるからな」などと(そう言えば、昔見たアニメで主人公が事故で意識を失っている間、自身も学校に行かないで一緒に留年してしまうという、主人公依存にも程があるヒロインが居た事を思い出しながら、それみたいな)事まで言い出す等、正に澪姉が心配した通りの展開になってしまった。

 だが、澪姉に姉ちゃんの事を託された以上(まあ、そうじゃなくても一応、家族だし)何とかしなければならないと思い、宥めたり、叱咤したり、澪姉の事を引き合いに出したりして、苦心の末どうにか立ち直らせたかと思えば、落ち込んでいた時の反動か、「よーし!こうなったら澪の分まで頑張っちゃうぞー!。それで澪が帰って来たら、私の事を梓と一緒に律先輩と呼ばせてやるんだ!」などと叫んで、俄然、気合とやる気を出し、昼夜を問わない猛勉強の末、姉ちゃんは第一志望の女子大に合格。幸い他の軽音部の人たちも全員、同じ大学に合格したみたいだった。



48:こーじろう侍[sage]
2010/12/01(水) 04:46:45.70 ID:DhwUcOA0
 かくいう俺も、いつかは行ってしまうという事を知っていたとはいえ、この不意打ちの如き突然の電撃入隊にはショックを隠せなかった。澪姉の為に結局何も出来なかった事。何よりも期限不明(とうぶん)の間、会えなくなった事が、現実となって俺を苦しめた。それでも知っているのと知らないのでは違うもので、ある程度の覚悟が出来ていた事。メールでの連絡の取り合いが可能な事。澪姉は暫らくの間、留学しているのだと、都合よく解釈する事で、どうにか形だけでも立ち直る事が出来た。まあ、どうにもならなくなった時は、友人の鈴木をカラオケに誘ったりして、思いっきり歌う事でストレスを発散させたりしていたのだが。

 それから俺は、澪姉を通じて彼女のメールとか、自分で調べたりして、現在の宇宙開発等、知った事も多かった。

 まず驚いたのが、携帯のメールに関しては宇宙からでも普通に遅れるという事。知識として知っていただけで、実際に月から火星から届いたのには正直驚き、感動した。少なくても太陽系からなら、光速の早さでクリアに送受信できる様だ。しかし、それならばと一度、澪姉に直接、電話を掛けてみたのだが、流石に繋がらなかった。技術的には問題無い様なのだが、どうも通話や画像の送受信に関しては、ブロックが掛けられているらしかった。
以下略



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