過去ログ - 打ち止め「あなたのYシャツ貸して欲しいな!ってミサカはミサカは…」一方「あァ?」
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843:第十六話 『部屋と命とミサカ』[saga]
2011/01/29(土) 19:34:28.17 ID:aHvdUUFQ0





精神が浮上するように07号の瞳に僅かに光が戻るのを見て、
ケージの猫と扱い同じく競うかの如く彼の顔を覗き込んでいた妹達たちが安堵の息を吐いた。



「意識は安定していますか?上位命令文による脳内汚染の影響は?とミサカは矢継早に尋ねます」



思考回路までは安定しきっていないのか、07号は暫し呆然と彼女たちを見つめていた。
だが、その瞳が完全に見開かれると



「そうか……一方通行はマスターに見捨てられたのですね……、と一方通行は呟きます……」



少年の呟きを真正面から受け止めた10039号は、何も答えることができなかった。
彼が見捨てられた、或いは裏切られたのは変えようのない事実であり、そんな彼をどう慰めていいものか考え付かなかった為だ。


だからこそ彼女は、慰めるのとは別の道を選ぶことにした。
「違うよ?きっとあなたのマスターはあなたを待ってるよ?」なんて甘い言葉を吐いたところで、彼が幸せになれる訳がない。



「そうです。あなたは――――あなた方、一方通行クローンは組織から完全に切り捨てられました。とミサカは肯定します」



キッパリとした肯定の声に07号の肩が沈む。
組織と、マスターという世界しか知らなかった彼にとって、そこから放り出されるというのは母親に捨てられるも同然だった。






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