過去ログ - 麦野「ねぇ、そこのおに〜さん」2
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10:とある星座の偽善使い(フォックスワード)プール編―4
2010/12/09(木) 21:01:47.67 ID:Td4mkwAO
上条「…オレは、これから先もずっと…沈利を離したくない…そう思ってんだ」

麦野「うん…私も、アンタと一緒にいたい…これからもずっと…アンタから離れたくない」

身を寄せ合う。入道雲が、水面が、夏の空が一体となった青のパノラマの下一枚の絵画のように。

後に麦野沈利は振り返る。この時、子供のようにはしゃぎまわっていた数日間…自分達はきっと何かを感じ取っていたのだと。

逃れ得ぬ永遠の離別、免れ得ぬ永久の惜別の予感を

二人の短い夏の終わりは、もう目の前だった。

〜第三学区・プライベートプール更衣室〜

麦野「じゃ、髪乾かしたら出るからちょーっと先に行って待っててくれないかにゃーん?かーみじょう」

上条「ああ!じゃあ出入り口の自販機の所でな!」

二時間後、プールから上がった二人はそれぞれ待ち合わせ場所を決めて一度別れた。

麦野「ふんふふん♪ふんふふん♪ふんふんふ〜ん♪」

丁寧にドライヤーをかけ、鼻歌混じりに更衣室の鏡を見やる。こういう時男の子は楽でうらやましいな、などと詮無い事を考えながら――

『pipipipi!pipipipi!マヨエー!ソノテヲヒクモノナドイナイーカミガクダスーソノコタエハー…』

麦野「…チッ…」

鼻歌を止め、ドライヤーを切り、着信が鳴り響く携帯電話の通話ボタンを押す。画面は番号非通知。『電話の女』ならば番号通知不可と表示される。キナ臭い匂いがした。

麦野「―もしもし?」

?「こん・にち・わ〜」

尻上がり気味のイントネーション、電話越しにも透けて見える不敵な笑み、それでいて拭い去れないキナっぽい香り…その声音に麦野は聞き覚えがあった。

土御門「せっかくのデート中のところ悪いんだぜい。ちょーっといいかにゃー?」

麦野「あの時のグラサン野郎かテメエェェェェェェ!!!」

麦野の怒号が轟く。夜の歩道橋で出会した同じ暗部の匂いがする金髪グラサンアロハシャツの男の声音。忘れようもない記憶。


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