過去ログ - 麦野「ねぇ、そこのおに〜さん」2
↓ 1- 覧 板 20
8:とある星座の偽善使い(フォックスワード)プール編―2
2010/12/09(木) 20:55:05.38 ID:Td4mkwAO
〜第三学区・プライベートプール2〜
上条「(女の子って…わっかんねえ生き物だよな…)」
上条はとりあえずプールの端から端までを目標にクロールで泳いでいた。背中の痛みはだいぶ引いたし水に触れても大丈夫だ。だが…
上条「(なんて言うか…たった数日で化けるっつーか…どんどん変わってくんだな)」
ふと水底に足をつけて立ち、プカプカと水面に揺蕩うプールボートの上の麦野を見やる。1ヶ月前に出会い、数日前から交際を始めている年上の彼女を。
麦野「ん?どしたのかーみじょう?足でもつったー?」
上条「いやー!大丈夫だー!」
麦野「じゃあなによ?…私の水着姿に見蕩れてたとか?」
上条「…実は」
麦野「ばっ…ナマ言ってんじゃねえぞクソガキ。元が良いんだから当たり前でしょ…それに」
そこでフロートを進めドンっと上条に体当たりし、耳元に囁きかける麦野
麦野「…水着なんかよりもっと恥ずかしい所見てるくせに」
上条「!!!」
チャプ…チャプ…
プールの波が打ち寄せる音と、遠くからは死に急ぐ汗ばんだ蝉の声…
麦野「…まだちょっと痛いんだからね」
上条「悪い…夢中だった」
麦野「いいよ。嬉しかった」
青天に座す真昼の月は高く、アクアブルーの水面とクリアブルーの迫間で二人は互いを見つめ合う。通り抜ける風が濡れた素肌を優しくさらって、麦野の緩く巻かれた柔らかな栗色の髪を揺らす。
麦野「嬉しかったよ。当麻」
上条「――――――」
麦野「だから…聞いてちょうだい」
その微笑が、何故か上条には消え入りそうなほど儚く見えた。触れれば消えてしまう真夏の陽炎のように。
麦野「あのスクランブル交差点で、あの一九学区の高速道路で…私、アンタを二度も死に目に合わせた」
上条「それはもう済んだ話だろ?一度目は沈利が助かった。二度目はお前が…最終的にはオレを助けてくれたろ?それでいいじゃねえか」
麦野「ううん…パッと見わかんないけど、お風呂入った後とかやっぱりわかる。うっすら残った白い傷跡がさ、浮かんで見えるのよ」
955Res/852.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。