21:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/14(火) 21:01:10.78 ID:avSACfMo
一方通行は、闖入者の扱いに苦慮していた。
取り敢えず、彼女に服を着させることで仕切り直すことにしたらしい。
しかし、話を聞く限りでは服が無いとのこと。
仕方がなく備え付けのバスローブを渡し、文句を言う女に無理矢理着させる。
彼の混乱は、収まっていないわけだが。
(……ワケがわからねェが、まず間違いなく第三位の体細胞クローンの一体だな)
そう、彼女は自分のことをミサカと呼んでいた。
そこから考えると、他人の空似ということではないだろう。
だが、他の妹達(シスターズ)と違うところがいくつか見受けられる。
一つは見た目の年齢が違うこと。
身長も伸びていて顔もすっかり大人の女性に近づきつつある。
また彼女のスタイルは、成長したというには少し不自然なほど変わっていた。
さっきは裸エプロンだったためなおさら強調されていたが、
胸やヒップが随分大きくなっていたのだ。
身長が伸びたせいもあって、そこらのモデルでは到底敵わないレベルに達している。
そして極めつけは、その長い髪の毛だ。
腰まで到達しそうなほど伸びた髪の毛は見た目の年齢以上の艶めかしさ。
前に会った御坂美鈴と違うところは、癖っ毛というわけではないというところか。
こんな所謂『イイ女』が裸でここまで来たという事実に、彼は頭を抱えたくなる。
それでも、話を聞いてから処遇を決めることにした。
有無を言わせずに放り出すという選択肢が最初からなかったのは、彼らしいというべきか。
昔だったら、そうしたのかもしれない。
しかし今の彼には、守ると誓った少女たちとそっくりな女を夜の街に
放り出すなどということは、出来なかったのだ。
ファミレスに置き去りにした、小さな少女が彼の脳裏をよぎる。
その時感じた、後悔すらも。
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