283:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/25(クリスマス) 02:42:25.47 ID:GcS1DpIo
「わざわざあんな災いの塊にまた近づくことになろうとは、な。
復讐なぞ考えていなかったが、ついでに済ませてしまうか。唯一の心残りだ」
口ではそういうものの、彼の瞳の奥には怪しく歪んだ光を宿していて。
復讐を忘れた日は、一日たりともなかったのだ。
押し殺していただけ、無理やり自分を納得させていた、だけ。
「この後はどうなさいますか?」
マスターの負の情念が彼女にも伝わってくる。
チリチリと、彼女の中のナニかが、焦げ付く音がした。
「ふむ、私は少々せっかちでね、いい加減この状態に飽き飽きしてきたところだ。
こういうことは、時間をかけることによって破綻し得るのだよ。
準備も整ったし、そろそろ決着をつけよう」
男は、過去に一度命を落としている。
今も、生きているとは言い難い。
現世に蘇るために、彼は忌々しい『グループ』を滅ぼさなければならないのだ。
その先にこそ精神的、肉体的な絶対的『安泰』がある。
「さて、今度は私が攻める番だ。せいぜい楽しませてくれよ、一方通行」
男は、禍々しい笑みを浮かべる。
そこにあるのは、恐ろしいまでの狂気。
再び、戦いが始まろうとしていた。
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