489:泥源氏 ◆a15dGnhq8NbI
2011/02/09(水) 22:07:05.91 ID:XdZJesNBo
気づけば、一方通行たちのいる場所を囲うように気配がある。
仕掛けてこないのは、様子をうかがっているからか。
「オマエはここの病院に行け。これを受付で見せればわかる」
「PDA――――、ミサカも戦えるよ?」
フンスッと、鼻息荒く息巻く。
そんなミサカワーストを見やり、軽く嘆息。
「怪我人は足手まといだ。一昨日の傷、治ってねェンだろォが」
「……あちゃー、バレてた?」
「すぐわかンだよ、オマエらのことぐらい。
――――俺が引き付ける。その間に抜け出せ」
PDAを見ると、逃げ込んだ場所から病院はすぐ近くだった。
これならば、肋骨が複数本折れているミサカワーストでも無事たどり着けるだろう。
「わかった、言う通りにする。あなたもこんなところで簡単に死なないでよ」
「ふン、当り前だ」
「ミサカはあなたを頼ることにした。その方が面白そうだし」
「…………」
「一方通行の生き様、思いっきり笑ってあげる。――――だから、早く来てね」
「――――あァ」
不敵に笑いあい、ギュッと、固く手を握り合う。
再会は遠く、戦場は彼らを逃さないだろう。
果たして二人の向かう先は地獄か、それとも――――
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