16:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011![sage]
2011/01/05(水) 00:59:15.46 ID:1pR0LJ60
それから一週間が経ち、再検査。
これで聴力が戻っている傾向にあるならば、ここから快復まで薬の量を減らしていくらしい。
受けた検査はお馴染みのヘッドフォンをつけてのものだったのだが、どうも医師の表情が良くない。
そしてそれは私も同じだった。
聞こえない右耳はそのままに、左耳までもが以前より聞こえにくくなっているような気がしていたからだ。
「……検査の結果は良くありません。
やはり、初期症状が重かったと思われます」
「それじゃあ、私の耳は……」
「まだ諦めてはいけません。
他の治療法もありますので、そちらへの移行を行いましょう」
確か早期治療が大切だと言っていなかったか?
その他の治療法も駄目だったら、また別の?
そんな悠長な事を言っていられるのか。こんなことじゃ、一ヶ月なんてあっと言う間に過ぎてしまう。
医師は、新しい方法を持ってくる。
思い詰めるな、とはいつも言われるが、どうやって落ち着けというのか。
長くても2週間の入院のつもりだったのに。
検査をする度に芳しくない経過を聞かされ、治らないかも、という不安に幾度も駆られ。
他の病院に何度セカンドオピニオンを求めても結果は同じで。
そもそもこの病気は、タチが悪過ぎる。
ストレスを感じてはいけないのに、ストレスを感じさせられてしまうなんて。
もっとも、ストレス云々は全病気に言えることではあるんだけれど、
この病気で失うのは聴力だ。これからの人生に与えるダメージがあまりに大き過ぎる。
一ヶ月が過ぎ、私は退院した。
無論、完治したからではなかった。
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