過去ログ - 上条「この天然フラグメーカー娘が……」美琴「あ、アンタに言われたくないっ!」 他
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211: ◆MDOfmX8bYE[saga sage]
2012/07/17(火) 23:23:17.36 ID:38H/pZ14o


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 脳味噌の残念な第二位(かつてはその脳味噌だけを回収され、研究されてた筈なのだが)を半眼で見送りつつ、一方通行は溜め息を吐いた。
 近い境遇、環境、経験を共有する彼と話せば何かのヒントになると思って誘ったはいいが、結局分かったのは自分が何を求めて他者に助けを請おうとしたのかさえ良く分かっていなかった事のみ。
 しかしその答えを出そうとした所で物事が進展するのかというと全くそんな事は無い事も元々分かってはいた。
 要するに自分は愚痴の吐き口を求めていただけなのか。

 余りの自分のお粗末さに溜め息をまた吐きそうになるが、それを堪えて再びポンコツの脳味噌を使い考えを巡らせる。
 ひとまず自分の考えをまとめるのは後回しとし、当面の問題を片付ける事を優先させるとしよう。
 すなわち――――


「ホワイトデーのお返し、ねェ……」

                               ルール
 ホワイトデーは三倍返しが基本、とかいう理不尽な法則があることを思い出す。
 しかも某ニートは三倍じゃなく三億倍を要求してきやがった。勿論即座に却下したが。

 そんな事はともかく、一番の問題は何を返せばいいのかが全然見当もつかない事だ。
 それこそその手のイベントやらお祭りごとに一切関わってなかった彼に取っては、一番の難関である。
 こういう時にその最強無敵の能力は何の役にも立たない。


「それこそ、あのメルヘン野郎に相談すべきだったか……」


 そう思い返しても既に手遅れである。今更どの面下げて「ホワイトデーのお返しってどンなのがいいの? 教えてていとくン!」とか言える筈も無い。
 となると、別の相談相手を探すしかなくなるのだが……。


「この俺に、そンな下らない相談乗ってくれる暇人や善人の知り合いなンざ……」


 ふと思い浮かんだ某第三位嬢の顔をブンブンと頭を振って追い払う。お返しを送る相手本人に聞くとかマナー違反にも程があることくらい流石の朴念仁第一位でも理解している。
 こうなったら手当たり次第に少ないコネ使い切ってでも何とかするか、と半ばヤケクソ気味に開き直った所で、ふと一方通行はとある事実に思い当たった。


「そういや、結局タンドリーチキンとメキシカンピラフ食べれなかった……」


 ぐゥと鳴る胃袋をさする学園都市第一位の背中は、どこか物悲しく丸まっていた。



〜つづく〜






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