過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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170:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/04/05(月) 00:39:02.44 ID:n8Zgn1so

 御坂美琴と、白井黒子。

 その二人とすれ違ってから、十数歩。

「・・・・・・」

 セーラー服は、さりげない風を装って背後を振り返った。

 肩越しの視線の先には、再び談笑をはじめて歩いている美琴と白井の背中がある。

「・・・・・・」

 セーラー服はやや背が高く細身で、美琴よりもなお短いショートカットだ。決して男性のようには見えないが、女性に人気が出そうな容姿である。纏う雰囲気も、どちらかというとさっぱりとした印象を相手に与えるものだろう。

 だがいま彼女がその瞳に浮かべているのは、そんなイメージからは想像もつかないほど暗く、昏い感情だった。

「・・・・・・」

 もしいま美琴がその表情を見たのならば、気がついたかもしれない。

 もしいま白井が振り返れば、おそらく彼女の浮かべる感情がなんなのか確信しただろう。

「・・・・・・」

 セーラー服は、徐々に遠ざかって行く二人の―――否、美琴の背中に、コールタールのようなどろりとした視線を注ぎつづける。

 それは白井が美琴に向ける、憧れや尊敬、思慕に近く、なおかつそれを凌駕するもの。

 すなわち、崇拝だ。


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